D.gray-manー2人で歩く道 (ページ50)

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バレンタインデー(終) ページ50

ア「Aからのチョコ…！！！任務の時からずっと待ち侘びてました！」

『ふふ、酔ったアレンくんね、只管私のチョコを欲しがってたよ！追いかけられたし』

ア「うっ…ほんとにすみませんでした…。あ、開けてもいいですか？」

『うん！食べて食べて！』

箱を開けると、大きなハート型のチョコが入っていた。

ア「わあ…！！凄く大きい…美味しそう…！」

『アレンくんなら大きい方がいいかなって思って。はりきっちゃった！』

ア「任務もある中本当にありがとう！いただきますね！」

大きなチョコの一部を手に取り口に運ぶのを、彼女は少し緊張した表情で見つめる。
チョコを口の中に入れるとすぐに、彼の目が輝いた。

ア「！…美味しいっ！！」

『ああ～よかったぁ！』

幸せそうな顔で食べ続けるアレンを見つめているだけで、胸がいっぱいになった。

ア「こんなに美味しいチョコ、いくらでも食べられます！ほら、Aも」

彼は手にしたチョコを、今度はAの口元に運んでいた。
嬉しそうに微笑み、もぐもぐと食べながらだが。

『ありがとう！……ん！美味しい！！』

ア「…ふふっ、可愛い」

アレンはそう呟くと、愛らしく笑う彼女の両頬を右手で挟んだ。

…そのまま顔が近づいて来たと思えば、ちゅ、という音が部屋に響く。

まだチョコを口に入れたままのAは、真っ赤な顔で目を丸くした。

『っ…あっ、アレンくん…！？今…』

口をぱくぱくさせて照れている彼女にお構いなく、再び顔を近づけ、また口付ける。

何が起きているのか処理し切れていないAの目の前で、アレンは幸せそうに、だけど少し意地悪そうに、微笑んでいた。

ア「…ごめんなさい、A。酔っ払って手出しておいてあれなんですけど……

僕、意外と欲張りなんですよ」

『えっ、ちょ、アレンくん…！？』

口の中は、自分の作ったチョコのおかげで甘いままだ。
だけど、彼がこんなことをして来るから、さらに甘ったるく感じてしまった。
まだアルコールが彼の中に残っていたのだろうか。

口の中の甘ったるさと、この後の彼からのキスの嵐で、バレンタインデーはAにとって一層忘れられない日になったのだとか…

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終。