D.gray-manー2人で歩く道 (ページ34)

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番外編＊手料理② ページ34

ジェ｢……なんていうか、意外だったわねぇ…｣

『うう～ごめんねジェリーちゃん…』

今日も、アレンが任務へ行っている間に練習をこっそりとしていたのだが、ジェリーは頭を悩ませていた。

ーーエクソシストとしての実力も高く、アジア支部長の妹そして補佐役を担い、兄譲りの優秀な頭脳(バク曰く)を持ち合わせているA。

…しかしそんな彼女にも、上手くこなせない分野があったのだ。

ジェ｢料理…苦手なのね、ほんとに…｣

『うう…』

料理だけじゃない。裁縫などといった家庭的な分野が苦手なのであった。

『料理に関しては、バク兄に"もうするな"って怒られちゃったこともあって、長い間全く手をつけてなくて…』

申し訳なさそうに眉を下げながら、鍋に異常にこびりついた焦げを取り除いていた。

ジェ｢アタシが気合い入れて鍛えてあげるから心配することないわよ！…それより、ケガとかない？｣

『…あっ、また包丁で指切っちゃって…』

ジェ｢あら！！Aちゃん、意外と手先が不器用なのねぇ。｣

『えへへ、気をつけてはいるんだけど…。それでね、ジェリーちゃんにこれ、味見してほしくて。』

そう言って差し出されたのは、何とか作ることが出来たらしい中華料理のスープであった。

ジェ｢あら、いいわよ！どれどれ…｣

一口飲むと、即座に舌が燃え上がるように熱くなった。

ジェ｢！？！？｣

『…ジェリーちゃん？』

ジェ｢…Aちゃん、これじゃ香辛料入れすぎよ。信じられないくらい辛いもの！！！｣

『ええっ！？味見ちゃんとしたのにぃ…』

ジェ｢……そうだったわ。アナタ、辛いものに関しては味覚がおかしいんだったわね…｣

はあ～っと大きく溜息を吐く。気が遠くなりそうだ。
隣で彼女は困った顔をして、スープを口にする。

『…やっぱり難しいんだなあ…』

ジェ｢そうね。他の人の為に作ろうってなったら尚更、妥協も出来ないからねぇ。｣

『うん…でもやっぱり、アレンくんに喜んでほしい…』

その言葉に、ジェリーは彼女の肩を力強く叩く。

ジェ｢その気持ちがあるなら大丈夫よ！！愛情さえあれば、絶対に美味しいものが作れるわ！！｣

『ジェリーちゃん…』

ジェ｢さ！とっとと片付けて、もう1回練習よ！アタシがビシバシ鍛えてあげるんだからね！！｣

『うん！私、頑張るからね！！』

彼女は笑顔でそう言って、腕まくりをし直して再び練習にとりかかった。