45話 降谷side ページ46
………やってしまった
Aを助手席に乗せ、自分も運転席に座って車を走らせた
頭が全く動かない
俺はなんて事をしてしまったんだ
ただただ後悔の念が押し寄せる
車の中は沈黙が続くと思われていた
｢助けてくれてありがと、零｣
いきなり声を掛けられてかなり驚いた
｢…あぁ｣
何となく彼女に見せる顔がなくて前を向いて素っ気ない返事を返す
｢零も男なんだね、日本と仕事が恋人の欲無し人間かと思ってたから安心したよ｣
思いもしない言葉に思わず横を見れば、Aは笑っていた
｢……嫌だっただろ、悪かった｣
謝罪を口にすると、Aは吹き出して笑った
……俺は至って真面目なのに
｢あぁ、ごめんね ハッキリ言えば正直背徳感が半端ないの｣
｢え？｣
｢私からしたらこの世界は2次元で、貴方はその中の主要なキャラクターの1人
そんな人とあんな事しちゃうなんて思ってもなかった ……って言ったら傷つく？｣
何故か心が抉られた気がして小さく頷く
｢でも私零のこと嫌いじゃないから尚更背徳感やばかったんだよ、それにファーストキスがあんなのとかもう逆に面白いじゃない｣
自分はあの時何かに取り憑かれたかのように必死になっていたというのに、酷いことをしたと自分でも思っているのに、この女はあんな酷いファーストキスを笑って終わらせるというのか
｢ねぇ零、私何飲まされたと思う？｣
｢……知るか｣
隣から ふふ、と笑う声が聞こえた
｢バーボン｣
その一言で心臓を強く握りしめられているかのような感覚に陥る
｢あの時の私は少しのバーボンで馬鹿みたいに酔わされたの、面白い話でしょ？｣
｢でも俺はお前に酷いことを、｣
コラ、と俺を一喝してから あのね と切り出すA
｢あれだけの事されたら逆に清々するの、…自分がもし男であの時と同じ状況なら、零と同じこと もしくはそれ以上の事しちゃうだろうし
……自分で言うのもなんだけど、余所行きの格好なんてするもんじゃない、あの状況なら襲われても仕方ないって思ってたから
零は欲に駆られつつも私を傷つけないようにしてくれたんでしょ？
その気持ちだけで十分｣
だからそこまで思い詰める必要は無いよ、と告げられて
俺はどうしていいかが分からなかった
無言でいればAがため息をついた
｢零って鋭いのに急におバカになるよね
…一回しか言わないからよく聞いてね？｣
彼女の方を見ればニヤリと笑っていた
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レモン(プロフ) - はじめまして、最初から一気に途中まで読ませていただきました！！面白かったです！零君が超カッコいいのでキュンキュンしてます！ (2018年10月19日 23時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あちぇるんるん(プロフ) - kamiさん» 関西の方の方便で そうですか の意味ですね！ 北海道には何も関係ありません…笑 (2018年6月17日 13時) (レス) id: d385e648a6 (このIDを非表示/違反報告)
kami(プロフ) - さいでっかって、方言ですか？ (2018年6月17日 12時) (レス) id: ee89c5b5ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あちぇるんるん | 作成日時：2018年6月4日 23時
