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27話 ページ28

またいつもの如く安室さんはポアロを早退し、
2人で私の家へと向かった
安室さんなんか手に持ってる? なんだろ


家に着いた瞬間にリュックをその辺に投げ飛ばしてふかふかのクッションを強く抱きしめる

今まで張っていた緊張の糸がプツリと切れて どっと疲れが出てくる
……私演技とかもろもろ頑張ったよなぁ

安室さんをほっといてそんな事を思っていたらお腹がぐぅ、と音を上げる

「…やだはずかし」
「そう思って作っといた」

先程の袋の中身はサンドウィッチで

「食べるだろ?」
「食べますありがとうございます」
「手を洗ってからな」
「透さんお母さんみたい」
「俺は父親になりたい」

い や ち ゃ う や ん

なんでいきなり真顔でそんなこと言われなきゃあかんのですか、何故ですか
これほんと炎上待ったなしだな…と思いつつ手を洗いに行けば後ろにぴったりついてくるあむぴさん

ん? ぴったりついてくる?

「一緒に手を洗うから」
「いや非常に狭いんだが」
「くっつけば何も問題なし」

いやあるんだよなぁ!?



…と、一悶着あってからようやくサンドウィッチを頂く
相変わらずめちゃくちゃ美味しい

「それで?」
「安室さんはせっかちさんですね 順を追って話しますよ?」



風見さんに資料を見させてもらったこと、その時に検死官が怪しいと思ってそれで会わせてもらったこと、上手く懐に入り込めたかもしれないこと
恐らく犯人はこの男である、ということ

一通り説明し終わると安室さんは顔を歪ませた

「そうか、伊藤洋一か……」
「でも何も証拠が出てないんでしょ?」
「……あぁ」
「私がなんとか証拠とか彼の隠れ家とか見つけるから …近いうちに多分2人で食事に出かけると思うしその時にでも」

安室さんは更に顔を歪ませる
……整った顔が歪んじゃうよ?

「こうでもしないとあの男は尻尾を見せない
幸いなことに私は随分気に入ってもらえたようだし
…それに、もし私の身にに何かあったら透さんが助けてくれるでしょう?」

「でも」
「でもじゃない、狂気じみたやつはさっさと捕まえないといけないんだから」
「Aが」
「大丈夫、死なないから」

「俺以外の男と2人きりとか許せない」

「…そうじゃない」

色んな顔を演じ切るこの男のことだ、どうせハニトラもお得意なんだろう
……なんて不意に考えてしまった自分が憎い

「はーぁあ」
「幸せ逃げるぞ?」
「誰のせいだと思って…」

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レモン(プロフ) - はじめまして、最初から一気に途中まで読ませていただきました!!面白かったです!零君が超カッコいいのでキュンキュンしてます! (2018年10月19日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あちぇるんるん(プロフ) - kamiさん» 関西の方の方便で そうですか の意味ですね! 北海道には何も関係ありません…笑 (2018年6月17日 13時) (レス) id: d385e648a6 (このIDを非表示/違反報告)
kami(プロフ) - さいでっかって、方言ですか? (2018年6月17日 12時) (レス) id: ee89c5b5ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あちぇるんるん | 作成日時:2018年6月4日 23時

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