ー特別な存在ー (ページ11)

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ーDKの場合ー

DK「はぁ…なんでだよ…」

新曲のレコーディングが上手くいかなくて、ウジヒョンに日を改めようと言われてしまった。

僕以外のメンバーはみんなその日にレコーディングを終えていて残すは僕だけ。
悔しくてウジヒョンにお願いしてレコーディング室に残って歌って録音して聞いてやり直してを繰り返している。

『ドギョマいる？』

あまりにも上手くいかないから少し喉を休ませようと椅子に座って休んでるとAヌナがやって来た。

DK「Aヌナ…」

『え、ちょっと！ドギョマ大丈夫？！」

Aを見たとたん自分でも驚くほど涙が出てきた。
Aヌナは焦ったように僕に駆け寄ると涙を拭いて背中をさすってくれた。

『ドギョマ…』

DK「僕…うまく歌えない…みんなは順調にレコーディング終えたのに僕だけ…僕だけちゃんと歌えない…情けなくて…メインボーカルなのに…」

なぜかAヌナには弱音が吐けて素直に泣くことが出来る。

『ねぇ、ドギョマ。一旦さ自分はメインボーカルだからって考えないで歌ってみたらどうかな？』

DK「え…？」

『きっと知らず知らずのうちにメインボーカルって言葉がドギョマの負担になってるんじゃない？そりゃドギョマは正真正銘メインボーカルでそこは変わらないけど、その考えをずっと頭の中で思い浮かべちゃうから逆に空回りしちゃうんじゃない？気を楽にしてただ歌うことを楽しめばいいの。コンサートでCARATさんの前で歌う時みたく』

Aヌナはそう言いながら次々流れ出す涙を拭ってくれる。

DK「一回歌ってみる。なにも考えずに気を楽にして…」

『うん、ヌナがここで聞いててあげる』

僕はAヌナに言われた通り、一旦頭の中からメインボーカルという言葉を放り出し肩の力を抜いて思うがままに歌った。

DK「歌えた…歌えたよ！Aヌナ！」

『うん！すごく上手だった！』

DK「ウジヒョンまだ起きてるかな…？」

『起きてるよ！呼んでくる！』

Aヌナは嬉しそうにレコーディング室を出ていきウジヒョンを呼んできた。

WZ「歌えるのか？」

DK「今だったら歌える！だからレコーディングお願いします！」

WZ「おっけい」

Aヌナのおかげで無事レコーディングを終えることができた。
Aヌナのあの言葉がなかったら僕はまだ悩んでいたかもしれない。

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