Torch lily (ページ25)

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二十五ページ25

「…半年前、初めて吐いた」

「半年前っていうたら…皆で住み始めて暫くした頃やんか！」

「自分では拗らせてる気はなかったんやけど同じ家で住んだらやっぱり違うんやろな…俺も発症してもたんや」

「ほんなら、なんで淳太に好きやって言わんかったん？」

「淳太くんは…女の人が好きやと思ってたから、皆もその線で動いてたから、他の人を想ってるんやとずっと思ってた」

「じゃあ、淳太が悪化していきよんの見て、いずれは自分もそうなるって分かってて、過ごしてたん…？」

「…そうや、やって、治らんって思ってたからな」

「そ、やったんや…」

「なぁ、淳太くん、改めて言わせてもらってもええ？」

「ん…ええよ…」

「俺、淳太くんが好きや、付き合ってくれへんか？」

「勿論…よろしくお願いします」

「も、なんやねんお前らぁぁぁぁ！！」

「こんなんっ、こんなんさぁっ！」

「…良かったやん二人とも」

「もう十分苦しんでんから、後は幸せしか来んのやろうなぁ…」

「大丈夫、皆お祝いするから」

…なんや、俺、こんな良いメンバー側に居ったんや…

もっと、もっと信じてみれば良かったんかもしらん…

「っう…！」

「んんっ…！」

急に吐き気が襲ってきた

これ、両想いなったら終わるんと違ったんか…っ

「えっ、ちょ、どうしたん？！」

「淳太？！吐きそうなんか？！」

「照史も？！えっ、なんでっ？！」

「ぉえっ…」

「んぇっ…」

俺らが吐き出したんは白銀の百合やった

「ぅわ…」

「めっちゃ綺麗…」

「ぁ…」

「どないしたん？」

思い出した、病院で聞いた話

「花吐き病が、終わる時…相手と、白銀の百合を吐く…って聞いた」

「じゃあ…」

「治った、治ったんよ」

俺がそう言った瞬間ええ歳した大人が揃いも揃って泣いて、はしゃいで、抱き合った

俺はまだまだ体力も戻さなあかんしグループに復活は出来ひんやろうけど

残された時間、長いか短いかは分からんけど愛する人と温かい五人といい時間を過ごせたらいいと思っている

end