18 ページ18
…
岩田さんの言葉の次に、今市さんのお皿に乗ってる料理の量に絶句していると…
「隆二さん、抜け駆けするならちゃんと対応しないと。」
岩田さんが小犬顔の上目遣いで今市さんを見つめて私の隣に腰かけた。
「ちゃんと？ん？俺、ちゃんとエスコートして料理を持って来たとこだけど？」
首を傾げながら私の向かいに座る今市さん。
「言葉が足りて無いんすよ。市野辺さん、隆二さんからダメ出しされると思ってたみたいで、いつもにも増して眉間にしわ寄せて考え込んでましたから。」
そう言って笑った岩田さんを驚いたように見た今市さんは、視線を私にスライドさせて“え？まじ？”と焦った顔をした。
…
「…すみません…話があると言われたのでてっきり…。」
「いやいやいやいや！ゆっくり話がしたかったって言って、そう言う風に受け取った人初めて！違うからー！市野辺さんの歓迎会もちゃんとやってないしさーお近づきになる機会がなかったから！」
…
「…あの…歓迎会は燈護…大井課長にも片岡さんにも私から断ったんです。中途半端な時期に入って、この忙しい時期に一スタッフの歓迎会をしてもらうわけには…。」
「…いやいや、何言ってんの。おめでたいことは忙しいとか関係なくするもんだから！でも、珍しいな。直人さん、どんなに断っても強行突破するキャラなのに…ね？岩ちゃん？」
「あー…それは、あの最初の噂通りってことなんでしょうかね。」
苦笑いする岩田さん。
「…噂？」
自分でも眉間にシワが寄ったのを感じながら2人の顔を見比べると…
「……直人さんは市野辺さんに頭が上がらないって。……市野辺さん、綺麗な顔で無表情で眉間にシワ寄せんのマジでやめて。めっちゃ怖いから…。」
岩田さんがわざと怯えたように両腕をクロスさせて寒いと言うように自分の腕をさすった。
「…失礼しました。今後気をつけたいと思います。」
「…っで？あの直人さんが頭上がらないって…市野辺さん、どんな弱み握ってんの？」
企んだような顔をして、今市さんが目の前のチキンを頬張りながら上目遣いで私を見た瞬間…
その背後に見慣れた顔。
「…隆二ぃーー！人の弱み探ってどうする気だー。」
直人が今市さんの頭をグリグリして、今市さんは盛大にむせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1072人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「三代目JSOULBROTHERS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑞穂(プロフ) - 久しぶりに、来てみたら、大好きなまるさんの作品に鍵がかかっていて、読めず残念です。どの作品も、大好きです。君想うは、鍵がかかっていなかったので、久しぶり読ませて頂きました！やはり素晴らしいです。また、読みに来ます！ (2020年8月6日 1時) (
レス) id: 800035175b (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - ◎まる◎さん» 私は長編で描写を細かく書いたり話に深みを出せる作者様が羨ましいです♪嬉しいってお言葉ありがとうございます！お互い頑張りましょう(*´ω`*) (2019年5月20日 15時) (レス) id: 8892e5e17b (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - 薫さん» 私は短編できちんと話を完結できる書き手さんが羨ましいですー(≧∀≦)！作品拝見してドキドキしてますー(//∇//)今は長編執筆中なんですね！頑張って下さいね(^-^) (2019年5月19日 21時) (レス) id: da4fc601b2 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - ◎まる◎さん» 返信ありがとうございます！本当に面白いです。長いお話をかけるのも凄いなと思います！表現力ありありですよ！作者様の優しい気持ちになれる表現好きです。読んでくださるんですが!?拙すぎて恥ずかしいです(笑)更新頑張ってください！ (2019年5月19日 20時) (レス) id: 8892e5e17b (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - _noさん» おはようございます(≧∀≦)一気読み…すごい！長い話だから大変でしたよね(>_<)書くたびに話が長くなっていく…。今後も頑張るのでよろしくお願いします！ (2019年5月19日 4時) (レス) id: da4fc601b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：◎まる◎
| 作成日時：2019年3月9日 13時
