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臣side
仙崎さんの一言に、浮かれていた俺たち3人は一気に沈黙した。
「え？お父さん？？」
「はい。5年前に進行性の胃がんで亡くなりまして。」
「…不謹慎だったね…ごめん。」
「俺も。」「俺も。」
浮かれていた自分が恥ずかしくなって謝ると、その姿を見て桜智さんが笑った。
「本当だね、A。この人達、イメージと違う。」
「でしょ？真面目でとっても優しい人達なんだよ。……パワハラはするけど。」
そう言って、俺たちをからかうように笑った仙崎さん。
「…パワハラは余計でしょ。それにしても…仙崎さんって北海道出身だったんだ？」
「そうです。まぁ、高校はこっちだったので、もうこっちの生活の方が長くなっちゃいましたけどね。」
お父さんの件を聞いてから静かになった俺たちに気を使ったんだろう。
仙崎さんは
「…一緒に行くと決まったら決まったで、楽しみですね。皆さんもお疲れでしょうから、慰安旅行兼ねて、思いっきり楽しみましょう！！」
そう言って何故かガッツポーズをして俺達を笑わせてくれた。
・
・
・
ねぇ、A。
この旅行が、俺たちの関係を一気に変えることになるなんて…
この旅行が、君の人生を大きく左右するなんて…
この時の俺たちは少しも分かっていなかったよね。
いや…
分かってなかったのは俺たちだけで…
きっと君は予感していたんだ。
こうなることを。
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作者名：まる
| 作成日時：2018年6月9日 22時
