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啓司君の顔が離れて……
「…普通は、咄嗟でも目を瞑るでしょ？」
照れたように苦笑い。
「…え？……………えぇ！？！？」
やっと今起きたことを理解して両手で口を覆う。
「キ、キ、キ、……！！」
「うん。キスした。だってA、こうでもしないと俺のこと男として見てくれないかなって。」
「口頭説明で十分理解できるから！！」
「口頭説明って……」
笑い出した啓司君。
「笑えない！笑えないから！」
「……ごめん。……でも、俺の気持ちわかって欲しくて。」
「………うん。」
「……こう見えて……俺今全然余裕ねーわ。」
うん…。
分かってるよ、啓司君。
頰を包んだ手だけじゃくて、触れた唇も微かに震えていたから。
何も言えずに黙っている私を見て…啓司君は１つ深呼吸してから言った。
「…今の…お前の状況は分かってるから…急に恋愛モード入れって言うのは無理難題だってことは分かってる。だから、付き合ってくれとか、まだそんなこと言うつもりはない。……でも…そのうち、恋愛したいなって思えた相手が俺であってほしいって思ってる。」
「…啓司君…。」
「…１つだけ、頑張って告白した俺に教えてくれない？」
「…？」
「あえて……1人上げるとしたら……今、お前のここにいるのは誰？」
私の心臓辺りを指差した啓司君。
…
…
…
「…この前、分かったの。
…
…私はまだ夏衣を忘れられてないって。」
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作者名：まる
| 作成日時：2018年6月9日 22時
