Iの証明-アイの証明-【松野千冬】 (ページ24)

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Aside

千冬「俺んち、ここ」

つ、ついてしまった。

至って普通の団地。

ここに松野は住んでんのか。

私も昔は、今みたいな家ではなくてこういう質素な家に住んで普通に暮らしたいと何度も願った。

千冬「きたねえ家だけど、どうぞ」

A「しっ失礼します」

うわあ、来ちゃったよ！

恩人の家！

知り合いの家に行くとか一生ないかと思ってたから、嬉しいな。

千冬「テキトーに座っといて」

と案内されたのは、松野の部屋だ。

恩人の部屋はこんな感じなのか...。

少しの間感動に浸っていると、質問された。

千冬「なあ、お前これからどうすんの」

A「え、帰るけど」

千冬「は？」

A「え、だってこのまま逃げててもいつか捕まるし、仮に家出たとしても居場所ないし」

もちろん、本当は嫌だけど...。

千冬「それなら...」

ピンポーン

千冬「わりい、ちょっと出てくるわ」

と、松野は玄関に向かった。