純情ブルーローズ2【佐野玲於】

やめられない ページ9

Aside









A「 これで終わりです、ありがとうございました！」


ミカ「 こちらこそ、お世話になりました。」


A「 ミカちゃん、これ私たちから。」


ミカ「 ありがとうございます！すごく綺麗！」







片寄さんの撮影を見てたら

途中でお昼休憩が終わる時間になっちゃって


急いでミカちゃんのラストインタビュー




それを無事に終えて、卒業するミカちゃんに、用意しといたお祝いの花束を渡せば

拍手に包まれるスタジオ



愛されてるなあ、ミカちゃん






最後にみんなで写真撮ろうってなって始まった個人的な撮影会

スタジオに居る人、みんな集まってきた






涼太「 Aちゃん 」


A「 片寄さん！途中まで見てたんですけど…すみません。笑 」


涼太「 全然！ミカちゃんすごい人気だね。笑 」


A「 愛されてますよね。」






ミカちゃんはもちろん

その周りを囲ってる人達みんなが笑ってる


なんかいいなあ、こういうの





涼太「 Aちゃんも愛されてるじゃん 」


A「 へ？」


涼太「 玲於に。」







玲於くんの名前が出た瞬間

心臓が急にバクバクして、声が出ない



どうしよう、なんて言えばいい？




そうですよ…？
そんな生意気なこと言えない

なんで知ってるんですか…？
玲於くんに聞いたに決まってるじゃん







涼太「 ごめんね、玲於から全部聞いてるんだ。」






なにか、なにか言わなきゃなのに

声が出てこない








涼太「 Aちゃんはやっぱり、哲さん、が好きなの？」







ほんの少しだけ近づいてきて

小さい声でそう聞かれた







好きだよ




だって、そんな簡単に好きなのやめられない


諦めようって何度も思って何度も決意したし、今だってやめれるものならやめたいけど

考えれば考えるほど、哲さんが好きって思っちゃって





ちゃんと諦めなきゃだめなのに








好きでしたって

でも、もう好きじゃないですって


言わなきゃなのに








私は、片寄さんから逃げるように、

何も言わずに走ってスタジオを飛び出してしまった









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