純情ブルーローズ2【佐野玲於】

楽しみ ページ36

Aside









________カランカラン






「 いらっしゃい、Aちゃん 」


A「 おじちゃん、こんばんは 」


「 今日は、玲於と？」


A「 ううん、ひとり。」


「 よし、これ飲んでちょっと待ってて。」


A「 はーい 」







お昼休みに、玲於くんにライン送ったけど

返信こないどころか既読もつかなかったから


…忙しいのかな




いつ飲んでも美味しい
おじちゃん特製ミックスジュース




最近、玲於くんと一緒に来れてない









おまたせ
全然待ってないからいーよ
ジュース、ほとんどないよ

毎回のようにする、そんなやりとり



最後にしたのはいつだろう








「 はい、今日のおすすめ 」


A「 うわ、美味しそう 」







一口食べれば、やっぱり美味しくて

このお店、本当に美味しいものしか出てこない







「 最近は、どう？玲於と。」








バレンタインのお礼渡しに来たときに

玲於くんのこと好きになっちゃったって話したら


ほんとか！ってなぜかすごい喜んでくれて







そりゃ


私が、玲於くんに、好き好き言われてたの

おじちゃんもたまにいたから知ってるんだけど


あんなに喜ばれると思わなかった




それから、だいたいひとりで来るときは、

玲於くんのこと話すの








A「 …あー、あんま会ってなくて 」


「 ほお 」


A「 …ちょっと、寂しいかな。笑 」








玲於くん、もう他に好きな子いるんだよ





口にしたら


本当に、本当にそうなっちゃいそうだから

怖くて言えなかった








「 若いねえ 」


A「 おじちゃんよりはね 」


「 そりゃそーだ。笑 」







会ってなくてなんか寂しいとか
この前ちょっと会えて嬉しかったとか

ほんとに、どうでもいいようなことばっか話す


それでもずっと聞いててくれるの




ここに来ておじちゃんと話すのが

玲於くんに会えない日の、ちょっとした楽しみ









.

変わらず→←時の流れ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す