純情ブルーローズ2【佐野玲於】

あったかい ページ15

Aside









玲於「 んまっ」


A「 …美味しい 」


「 そりゃよかった」





本日のおすすめ、グラタン

もうすごく美味しいの、ほんっとに美味しいの


とろっとろ






A「 やっぱおじちゃんの料理は全部美味しい 」


玲於「 間違いない 」


A「 毎日でも来たいくらい 」


玲於「 毎日来る？」


A「 だめ、破産する 」







それは大袈裟って大爆笑してるけど




玲於くんと私じゃ、稼ぎが天と地の差なんだから

わたし、ほんとに破産しちゃうよ







玲於「 ねえ、Aちゃん、好きだよ 」


A「 ごめんね、まだ哲さんが好き。」


玲於「 えー、もうさ、俺にしなよ。」


A「 ……できない 」






玲於くんにしたくてもできないの

やっぱり哲さんが好きなの





玲於「 じゃあさ、わかったから握手してよ。」


A「 …握手？」


玲於「 そう、握手。」








最近握手が流行ってるのかな




差し出された手の上にゆっくり手をのせれば

んって満足気な顔して握ってくる








…なんだろう、落ち着く



玲於くんの手、あったかいからかな







そんなこと思ってたら、

やっぱ無理もう終わりって言われて離される手




…なんかちょっと、寂しい









玲於「 あーっと、ごめん、その、違くて… 」


A「 …玲於くんの手 」


玲於「 ん？」


A「 玲於くんの手、あったかいね。」


玲於「 …そう？」


A「 うん、すごく落ち着く。」


玲於「 …いやまじでそういうこと言うなよ… 」


A「 なに？よく聞こえない 」







ちっちゃい声でごにょごにょ言って、
ため息ついて、挙句の果てに顔隠して



え、なに？

なんか私悪いことした？







玲於「 あーもうなんでもない！」


A「 …もしかして、手あったかいって言われるの嫌だった？」


玲於「 なわけないじゃん、ばかなの。」









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