純情ブルーローズ【佐野玲於】

辛い ページ15

Aside






どうしよう...



今まで恋バナは聞く専門だったし

玲於くんとも…ていうか哲さんを好きになってからは誰とも、なったことないこんな状況



これだけまっすぐ伝えてくれる玲於くんに、私だけ嘘つくなんてできなくて

素直に答えちゃったものの


…気まづいな







玲於「 えっと、その、いつから？」


A「 …春、かな 」


玲於「 俺らが出会うより全然前、か… 」




小声でそう言ってから、大きなため息ついて下を向いて

心が痛くてどうしようもない







玲於「 …ちなみにさ、職場の人？」


A「 うん、」


玲於「 …誰？」


A「 …哲さん 」


玲於「 …哲さん？」


A「 …私の担当雑誌の、専属カメラマンさん 」


玲於「 …もしかしてもう付き合って 」


A「 ない！それはないです！」





思わず玲於くんの声に被せるように自分の声が出た





全部言っちゃった…

哲さんが好きだってこと、本当に誰にも言ったことなかったのに


よりにもよって

私を好きだと言ってくれてる玲於くんに


優しすぎるくらい優しい玲於くんに





玲於「 …そっ、か 」


A「 …その、ごめんなさい、言えなくて 」


玲於「 いやいや！なんで謝んの？」





……だって…





玲於「 俺が勝手にAちゃんのこと好きなだけだから 」







なんにも気にしなくていいの って口角あげてるのは、多分玲於くんなりの私への優しさで


それがすごい嬉しいのに、すごい辛い




ちょうどおじちゃんがもってきてくれた甘味が強いはずのハヤシライスは


いつもよりなぜか辛く感じた





.

哲さん→←好きな人

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す