白の部屋 【2】 ページ26
青年は私の質問には答えず、己の長いマントを弄びながら、軽快に話し出した。
「よしよし。大丈夫だよ、子供達。
君達を誘拐したのは、言うなればカモフラージュの為。大人の方は・・・・・・・・ぶっちゃけ、どうでも良い・・・・・・。
其処の彼女が目的なんだから。」
青年は私に視線を送った。
意図は流石に汲み取れないが、取り敢えず＿＿＿＿＿＿＿＿＿
目を反らしたい。
だって何十という目が、私の体を貫いているんですよ？
反らしたい・・・・・・
泣きたい・・・・・・・
心の中で嘆いていれば、彼は「ニィ」と笑った。
「君の事はよく知っているよ、“爆豪優己”。
君さえ居れば、この人達は必要無い。
よし。
無理矢理に連れて来てしまったんだから、送迎位はキチンとしなきゃ、だよな？」
話し終わったと思えば、指を「パチンッ！」と鳴らした。
すると、
「！？な、なんだこれ！？」
「地面に、穴が・・・・・！！」
何も無かった地面に、突如として大きな穴が現れた。穴の奥は真っ暗で、「一寸先は闇」状態。
少しの光も見えない闇が、人々を恐怖に震わせる。
そんな様子を見て、青年はおちゃらけながら説明した。
「大丈夫だぜ？ちゃんと外に繋がってる。
言わばワープと思ってくれ。
怪我はしねぇさ。
安全性は保証する。必ず外に出られると約束しよう。」
そう話せば、笑顔で片手を広げ、穴に入るように手で促す。
物腰がまるで紳士の様だが、忘れるな。
此の青年は、敵かもしれないのだから。
「・・・・・っ」
睨みに近い目つきで青年を凝視していると、ふいに誰かが叫んだ。
「意味分かんない！ワープ？何処に移動するワケ！？空の上とかだったら死んじゃうじゃない！」
どうやら、ヒステリック気質の女性らしい。
目は血走っているし、声に上品さの欠片も無い。服は高そうなブランド物なのに。
そんな女性に、青年は面倒臭そうに答えた。
「あぁ、平気だよ。安全性は保証するって言ったろ？」
其の答えに「でも！」と反論しようとした女性の声を、青年は冷たく遮った。
「煩い。“殺す価値すら無い”クズは、黙って言う通りにしろ。」
「簡単に殺せるけどな」と、冷徹に付け加えて。
“死”という存在がより身近に感じたのは、青年の声が、余りにも恐怖を含んでいたからだろう。
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ベル(プロフ) - めっちゃ続きが気になります (2019年8月7日 13時) (
レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮桜(プロフ) - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！！応援してます！！ (2019年7月22日 7時) (レス) id: 910bb70429 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみー - 続きが,,,気になる！ 更新待ってます! (2019年5月22日 17時) (レス) id: cdcb3e59b3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 本編更新停止似ならなければいいんじゃないですかね？ (2019年5月2日 8時) (レス) id: 57d839eeab (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - 凄くいいと思いますがこちらの作品がまったく進まなくなるのかと少し心配です。 (2019年5月1日 17時) (レス) id: 67d1cef2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年3月24日 13時
