君がくれた夏 ~紫~ (ページ19)

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︎︎☁︎︎

2時間ぐらいみんなで海で遊んでいた

正直、炎天下の中2時間も外にいたなんて

いつもの私ならありえないこと

だから身体が重くて、そろそろ戻りたい

『ごめん、戻っていい？』

渡「具合悪い？」

『うん、ちょっと』

佐「もうみんなで上がるー？」

岩「そーしよ」

海から出て浜辺をヨタヨタになりながらも歩いていたら

右腕を引っ張られた

見れば深澤くんだった

『どーした？』

深「ふらついてたから、大丈夫？」

『大丈夫だよ』

深「んー、大丈夫じゃなさそうだね笑」

『いや、大丈夫だって』

大丈夫って言ってるけど本当は今にも倒れそうになってる

心配されるのが嫌いだから、大丈夫という

深「黙って言うこと聞きなさい笑」

『え？』

深澤くんはそういうといきなり私の右腕を

そのまま肩に回し、足の方をスっと持った

いわゆるお姫様抱っこ状態

『ちょっ、深澤くん』

深「はいはーい、行くよー」

『ねぇ、下ろして』

深「んー？聞こえなーい笑」

これ以上言っても下ろしてくれないだろうと思って

黙って従うことにした

ガレージに着けば、みんなからびっくりされた

そりゃ、彼女持ちが彼女でもない人をお姫様抱っこって

ビックリするよね笑

深「部屋入るよ？」

『あ、うん』

深澤くんは私の部屋にまで運んでくれた

ベットにわざわざ下ろしてくれて

どうしてここまでするの？

好きでもない子に、誰にでこんなことするの？

毎日、一緒に過ごしていくうちに好きが増して、辛かった

だから、ボロが出てしまった

『なんで、深澤くんはさ』

深「ん？」

『そこまで優しくしてくれるの』

気づいた時はもう遅くて、

深「んー友達だからだよ」

『そっか笑』

友達。深澤くんにとっては私はただの友達

あー、聞かなければよかった笑