にばんめの恋【JK】- 私の初恋強奪事件 -

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結局何が危ういのかは教えてくれないままに、営業部の皆さんへの挨拶もそこそこに、早速仕事をあれこれ言いつかって初日からばたばたに忙しく過ごした。

主力商品のBTS休みに入ってるから、問い合わせとかがあんまりなくてこれでも仕事少ない方、って言ってたけど。

所属アーティストは彼らだけじゃないのでそりゃもう、営業部は十分忙しい。

廊下歩けないって話もまんざら嘘でもなさそう。

ピロン、ってカトクの通知音がして、見るとセジンさんから

S「メンバーには今日、部署異動は伝えるから。時間あったらみんなに挨拶してもいいし、気まずいなら、しなくても良いからね」

ぐって、奥歯噛んだ。

ホボムさんが私の異動を手配してくれた日。

セジンさんにはお休みだったけど、ホボムさんとその日の内に会いに行って、少し話した。

ジョングクさんのことは言わなかったけど、トラブったのは雰囲気で察したみたいで一言

S「反抗期が暴れたかな」

って言うから、私はほんと無言を貫くしかなかったんだけど、余計に何か伝わったっぽい。

セジンさんから、伝えたよって連絡もらった後に、メンバーに挨拶行こうかってどんだけ思ったかわからない。

でも今のこのぐちゃぐちゃした頭の中で、皆さんに会って何をどう話したらいいかも分からなかったから、とりあえず
　

『お世話になりました。こんな形で申し訳ありません』

個々のカトクに一言ずつ送った。

そしたら、すぐそれぞれに、なんでそんな浅からぬ仲なのにひどい、今度作業部屋に来い、何何なんでどうして何も言わないでなんて悲しい、私の決断なら尊重するとか、テヒョンが何かした？とか。

あと、無言で既読の人が2人…

ピロン、ピロン

ほぼ同時に、通知音。

『あ…』

テヒョンさんと、ジョングクさんから。

「「ごめん」」

あー、噛み締めすぎて、奥歯。

すり減りそう。