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何か言い返そうとして、何も思いつかなくてちょっと唇を噛んで、やっぱり何か言おうと思って口を開ける。
そしたら、テヒョンさんがあいてる方の手を上げて、私の顎を押してそっと閉じてくれた。
TH「ソレ、しナイ方がいい。ちょっとアブナイ」
何を、なにで、何しない方があぶなくないの。
なんで唇、じっとみんの。
アー、キャパが…
私は自分が今どんな顔してるのか全然わからないけど、見せられるもんじゃないってことだけはわかるから。
顔を思い切りそむけて、なんなら腕もぐっと引き抜いたら、あんなに強く掴まれてた指も解けた。
ひやり、と車内のエアコンで手が冷えて、どれだけ熱くなってたかって。
それを感じてたテヒョンさんがどう思ったかなんて全く想像が及ばなくて、私はタクシーの窓から見えるソウルの夜景に、考えることを投げ捨てることにした。
『タクシー使ったり、するんですね』
私は自分の気まずい気持ちを振り払うために、あえてテヒョンさんに話しかけた。
もちろん、練習だっていうから日本語で。
TH「どぅいう意味？」
『だってトップスターじゃないですか。こんな普通にタクシー乗ったら、騒がれませんか？』
TH「アー、マネジャーが言ってたケド。まさかタクシー乗るわけナイ、だからこれは、Vじゃナイのかも？って、なるって」
『ああ、そういう心理操作も利用するんですね。さすが、マネージャーさん。頭良いですね』
TH「しんりそ・・？難しいね、ソレ。追いかけラレてる時はダメだけど、んー…トキとバアイにヨリケリ？」
古語か。
ぷっと笑うと、テヒョンさんが
TH「笑顔イイね」
って言ってから、ちょっとすねたような顔をした。
TH「俺といる時、緊張シテる？表情、カタイよね」
そりゃあ、出会ってすぐから、変なことしてるのそっちでしょ。
こっちは普通に応対したいのに、させてくんないのはテヒョンさんだよ。
あと、私を好きだかってわかったら、そりゃ緊張するでしょう。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年1月30日 20時
