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いつの間にかメンバーが待ってる部屋の前にいたみたいで、ぎゃいぎゃいしてるのに気付いたナムジュンさんがドア開けてニコニコしながら私を手招いてくれた。
NJ「Aさん、あ、Aちゃんでいいかな？勉強会はそんなに時間取ってないから。早く早く」
『もちろん構いません。遅くなりました』
ナムジュンさん私に敬語やめるって、ちゃんと伝えてくれるなんて、紳士だな〜。
まあ、5つ年上だし、私に異論は無いし、そもそもナムジュンさん敬語でもそうじゃなくても印象あんまり変わらない。
丁寧で、礼儀正しくて、優しくて、すごくスマート。
今も私をエスコートするみたいに、背中に手をそっと添えて部屋の中に案内してくれてる。
部屋はソファや椅子があちこちに散在してるフリールームって感じで、メンバーの皆さんは思い思いの格好で原稿片手に日本語呟いて練習してる。
NJ「俺はいいから、他のメンバーの見てあげてもらえる？」
『はい』
返事してから、見上げるほど上にある、小さな顔をちらっとみたら、ん？って感じで笑ってくれて、ぽっと心が暖かくなった。
私、ナムジュンさん好きだ。
居心地がすごくいい、の意味で。
HS「あ、やっと来た。ねえ、Aちゃん」
そんなことを考えていたら、おいでおいでってホソクさんに手招かれて、隣の椅子に座ったら膝の原稿を指さして
HS「［ゆめをちゅかむ］、ってどうやったらうまく言えんの？」
ってかわいいの爆弾を投げつけられた。
『おっとぉ…』
まともに被爆した私のペン心がきゃーっと喜んで、一瞬マネージャーとしての平常心が保てずにやけそうになった。
だめだめ、仕事仕事。
とっさに顔伏せてぎゅっと唇引き結んで思わず目を閉じて、両手で耳をふさいで、聞いた言葉を無かったことにしようと
じゅげむじゅげむ、ごこうのすりきれ
…って昔国語の授業で覚えた落語のフレーズを唱えた。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年1月30日 20時
