蜃気楼*11 ページ11
Ki side
太輔が、俺も行くと聞かないから、仕方なく一緒に家を出た。
最近は暑くて、家にいることが多かったから、久々にふたりで外に出る。
そんな久々の外デートだけど、気が抜けない。
太輔の身に何かあったら、俺が守らないと……
少し歩いて、街に出た。
ふと太輔が口を開く。
「…あ、俺、ちょっと行きたいところあるんだけど。ひろ、そこのスーパーでコーヒー買っておいてくれない?俺その間に行ってくるよ」
「えっ、いや、俺も行くよ」
「すぐだからいい。コーヒー買って待ってて?」
優しく笑う太輔に、少しなら、大丈夫かななんて思って…
「わかった」
「ありがとう、よろしく」
太輔と、別行動をとった。
スーパーでコーヒーを見つけて購入。他に買うものもないので急いで店を出た。
店を出ると、通りにパトカーがたくさん停まっていた。
…胸がざわざわする。
「何何?」
「事故あったっぽいよ」
近くの人の話し声が聞こえた。
まさか、そんな、もしかして、
「っ、どこで!どこであったかわかりますか!?」
まったく知らない人なのにものすごい剣幕で話しかけてしまったみたいで驚かれた。
ここから数分のアクセサリーショップに、車が突っ込んだらしい。
その言葉を聞いてすぐにそこに向かって走り出す。
走ってそこに向かう俺を数台の救急車が追い抜いて行った。
「………っはぁ、……はぁ、……っっ!」
猛暑の中走ったせいでかなり体力を消耗したけど、そんなこと構ってられなかった。
ショーウィンドウのガラスがめちゃくちゃになったアクセサリーショップの前に着く。
野次馬を押しのけて立ち入り禁止のテープが貼ってあるぎりぎりのところまで来た。
俺を追い抜いて行った数台の救急車がそこに停まっていて、救急隊員の人が4組、担架を持って中に入っていく。
ばくばくと恐怖から心臓がうるさく鳴り始める。
本当に太輔だったらどうしよう、
いや、でもまだ死んだとは限らないし、
救急隊員の人が戻ってくる。
一人目は、女性。二人目も、女性。
三人目に男性、でも太輔じゃない。
四人目は、女性。
入っていった救急隊員は4組。これで、全員なんだろう。よかった、太輔はどうやらいないらしい…
俺の思いすごしだったと思い、ふぅ、と安堵の息を吐いたところにもう1組出てきた。
その姿を見てどくりどくりと心臓が震える。
「……た、いすけ………っ!」
*
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しょこら(プロフ) - Hina.Tamaさん» Hina.Tama様、お読みいただきありがとうございました!!そう言っていただけて嬉しいです。。゚(゚´ω`゚)゚。 (2018年7月27日 0時) (レス) id: ef72d80421 (このIDを非表示/違反報告)
Hina.Tama(プロフ) - しょこらさん初めまして。本編完結おめでとうございます!ハラハラドキドキな展開に毎日更新を楽しみにしていました。素敵なお話本当にありがとうございました!! (2018年7月27日 0時) (レス) id: ca7c7000b2 (このIDを非表示/違反報告)
しょこら(プロフ) - 日美さん» 日美様、ありがとうございます!そのように言っていただけて本当に嬉しいです。゚(゚´ω`゚)゚。 (2018年7月27日 0時) (レス) id: ef72d80421 (このIDを非表示/違反報告)
日美(プロフ) - 初コメ失礼します。更新お疲れさまでした。初めて更新されたときから毎回更新がとても楽しみな作品でした。とても大好きなお話です!また次のお話も楽しみにしています……!! (2018年7月26日 23時) (レス) id: 86fe79ef6e (このIDを非表示/違反報告)
しょこら(プロフ) - askiiii...xxxさん» ありがとうございます!更新頑張りますのでよろしくお願いします!⊂*`∀´⊃ (2018年7月18日 10時) (レス) id: ef72d80421 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょこら | 作成日時:2018年7月13日 12時