夢現*2 ページ2
*
藤ヶ谷にそんなワガママを言ってしまった日からしばらく経ったある日、藤ヶ谷から連絡が来る。
確認すると、なにやらダンボールの写真……
ねえ、なんかうちに荷物届いたんだけど
これ、北山?
なにそれ、知らない。俺じゃないよ
じゃあ、なんだろう
なんか、枕って書いてある
よくわかんねーけど、仕事終わったし、とりあえず行くわ
藤ヶ谷にとりあえずそう送って、元から向かう予定だった藤ヶ谷の家にタクシーで向かう。
やば、もう22:30……
インターホンを押すと、藤ヶ谷が施錠を解いてくれる、というのをエントランスと家の前とで2回繰り返してやっと部屋にたどり着いた。
ガチャ
「おじゃまします、ごめん遅くなった」
「いらっしゃい、鍵持ってるんだから使ってよ(笑)」
だって、藤ヶ谷がこうやって迎えてくれるの、嬉しいから、なんて言わないけど。
2人でリビングに入ると、そこそこの大きさのダンボール……
「結構大きいな。コレ何なの？」
「わかんない。枕ってことだけ、わかる」
「んー、とりあえず開けてみるか」
「そうだね」
間違いなく宛名は藤ヶ谷だし、住所も合ってる。
気になるのは、差出人がないこと、だけど……
カッターを持ってきた藤ヶ谷は、そのままその刃をダンボールに突き立てる。
恐る恐る箱を開けると、入っていたのは本当に枕だった。
袋から取り出すと、なんだか、長い。
「2人用？」
「ぽいね。今夜は熱い夜をってことかな…いてっ、叩くことないだろ」
余計なことを口走る藤ヶ谷を小突き、
とりあえずふかふかと触ってみる。
「結構いい感じかも。使ってみる？」
「お試しで」
というわけで、今夜はこの枕で寝ることになった。
*
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作者名：しょこら
| 作成日時：2018年7月10日 0時
