15.F ページ15
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「階段、登れそうですか？」
「んっ………、それは大丈夫だけど……、
ってか、ホントもうヘーキですから」
そう言って笑みを浮かべる北山さんの顔は
まだ本来の色を失ったまま
頑張って笑おうとしているのが
痛いほど伝わってくる
突然ﾋﾞｸﾘと身体を揺らし
様子がおかしくなったときには
何が起きたのかわからなかった
はじめゆらゆらと
俺や渉に向けられていた視線も
次第にどこを見ているのかわからなくなり
呼吸もどんどん乱れていった
まだ出会って間もないとはいえ、
普段の明るく朗らかな北山さんからは
想像もつかない北山さんの姿
そんな北山さんの弱り切った姿に
ちょっと休んだほうがいいですよと
促したのは俺
北山さんもすみません……と
俺の提案を受け入れたはずだったのだけれど
ソファ席で休まされるだけ思っていたのか
裏に通そうとした途端に
やっぱり大丈夫と言い出した
「知らない場所、……怖いですか？」
「いや……、それは大丈夫………だけど」
上目遣いで困ったように
こちらを見上げてくる
けれども、すぐに気まずそうに
視線を逸らされてしまった
「
北山さん帰るって言いそうなんだもん
そうなったら俺心配で仕事にならないし、
俺の為にも……ね？お願いします」
「でも…………」
まだ何か言いたそうな北山さんを
少し強引にカフェの奥のドアの先、
2階に繋がる階段へ誘導する
支えるように手を添わせた背中からは
戸惑いが伝わってくるけれど、
それでも俺の歩みに合わせて
黙って階段を昇っていった
「ここ、使ってください
トイレはここ、水道もちゃんと出ます
もし身体を休めたかったらこっちに
俺が昔使ってたベッドがあるんで……
あっ、洗ってあるのが掛かってるけど
ホコリかぶってるかもしれないから
一応シーツ交換しときますね」
「えっ、あ……大丈夫………」
一気に説明仕切った俺に
圧倒された表情の北山さん
「ここ、俺も昔住んでたんです
今でも掃除はちゃんとしてるんで……
遠慮せずにゆっくり休んでくださいね？」
はい……と小さく頷いた北山さんに
にっこり笑いかけた直後、
カフェのドアベルの音が鳴ったのが聞こえた
「あっ……、お客さん来たかな？
じゃ、何かあったら呼んでくださいね」
俺は北山さんを2階に残して
急いでカフェへと戻った
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牡丹(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます(≧∇≦)嬉しいです！Fさんがどうなってしまったのか、続きも見守ってあげてください( ；∀；) (2021年6月15日 17時) (
レス) id: 1a54c4e0e3 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - えーん、Fさんが…ご無事でしょうか？心配です。続きをずっと待っています… (2021年6月11日 10時) (レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹(プロフ) - puuさん» こにちは！コメント嬉しいですー(≧∇≦)誰とも交流出来なくて寂しかった(T^T)タカさん、不穏な感じですよね！藤ヶ谷さんを交えてどうなっていくのか...…(￣∀￣)また見に来てやってください♪ (2021年4月20日 23時) (レス) id: 1a54c4e0e3 (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - こんにちは。新作一気に読ませていただきました。最新話でぎゃあぁぁと叫びました(心の中で)。ドキドキしながら続きを待っております！今後の2人がどうなっていくのか楽しみです！！ (2021年4月18日 15時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：牡丹
| 作成日時：2021年2月21日 10時
