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子供のよう ページ29

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＿＿＿＿5分程。






その間ずっと、
私は彼の腕の中にいた。







…こんなことで。

大した理由でも無いのに泣いてしまった自分が
情けなくて、恥ずかしい。








でも、彼は、有岡さんは
こんな私を抱き締め、
お母さんみたいに背中をトントン叩いて。








泣き止んでほしいって彼の優しさに、
私は涙が止まらなくて。








ようやく涙が乾いた頃には
彼の服はグッショリと濡れてしまっていた。







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「…ごめんなさい、情緒不安定で」

「別に。気にしてないから、大丈夫」








そう微笑む彼は、ふと部屋の時計を見て
「…時間だ」と呟く。









「今日会ってからちょうど1時間、経ったよ」

「…わざわざ計ってくれてたんですか」

「当たり前。こっちは来てもらってるんだから」









"ちゃんとお金も払わないと"









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そう言って彼が渡してきた料金は、









なぜか少し多かった。

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