相澤先生の寝袋 [ヒロアカ] (ページ39)

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相澤先生の寝袋体育祭ページ39

Aが保健室の外で切島と話している間に、第1ラウンドは全試合終わっていた。

控え室に戻ると、端っこの椅子の隅で心操が項垂れていた。

『おつかれ！心操』

心「……そっちは見事な勝利で(睨))」

心操に睨まれたAは言葉に乗せられた嫌味を有り有りと感じていた。

『そんなに皮肉らなくても…(汗))』

心「…お前みたいな恵まれた人間にはわかんないだろ
なんで普通科にいるのか疑問に思われるようなヤツに、俺みたいな敵個性持つヤツの気持ちなんか分かってたまるかよ」

もはや、これは完全に心操の八つ当たりだった。

Aは心操の隣に座り、今にも泣きそうな悔しそうな心操の肩に軽く手を置いた。

『あぁ、まったく分からない。
なんで君が普通科にいるのかが、全然分かんないんだけど』

心「＿＿＿は？お前、頭オカシイんじゃないのか」

『まぁ多少イカれてるのは否定できないけどｗ
でもさ、なんで君みたいなヒーロー大好きな奴が普通科にいるのか分からない
入学試験の結果だとか、個性がヴィランみたいだとか、それ全部他人の言うことだろ？
ヒーロー大好きな君が、なんでそんなことで自分の"好き"を諦めなきゃならないんだ？』

心「……知った風な口を利くな」

『いいや、少なくとも君よりは長く生きてﾀﾋぬような経験も何度も経てきたからね
君のことはあまりよく知らないかもだけど、この世間のクソな仕組みならよぉく知ってる』

心「同い年じゃないのかよ」

『・・・まぁ、それについてはノーコメントで』

心「…大人ぶって励ましたいだけなら、どっか行け」

Aは心操の体操服の襟を掴み、後ろの壁に強く押し付けた。

『励ましたい？寝言は寝て言えよ、まったく笑えない
君は今、緑谷に負けたことで自分のヒーローへの憧れまで否定されたように錯覚しているだけだ
せっかくバネとなる悔しさを手に入れたんだぞ？
このままグチグチと悩んだままで活用しないなんて選択肢が、誰よりもヒーロー科志望な君の中にあるとは思わなかったと言っているんだ』

Aは蔑視を含む目で心操を見つめ、底冷えするような声で言った。

心操は、ただただAのその冷たい威圧から逃れられずに身体の一切の自由を奪われたような感覚に陥っていた。

やっとの思いで声を出し、自分の胸倉を掴むAの腕に触れた。

心「＿＿＿＿＿活用……しないとは…言って…ないだろ……」

『！そうだね！ごめん、俺の早とちりだったw』

Aは心操を解放し、脳天気に笑った。