相澤先生の寝袋 [ヒロアカ] (ページ29)

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相澤先生の寝袋体育祭ページ29

「今年の1位は普通科かぁ～！」

「しかも女の子だ！」

「うーん、でもあの子、まだ個性使ってないね」

「個性なしであの身のこなし……なんでヒーロー科にいないんだろう」

「…あの動き・判断力・テクニックは学生のそれじゃない」

「実戦経験もかなり多く積んでる動きだ…」

まさかの普通科の断トツ1位独走に、観客席ではプロヒーロー達が同じくプロヒーローのAの話題で盛り上がっていた。

しかし悲しいかな、その"女の子"は今日限りで男に戻るのだ。

その頃、大画面に中継されてるAは最終関門に到着していた。

ﾏｲｸ「早くも最終関門っ！
かくしてその実態は…一面地雷源！！」

一面地雷だらけの地面を前に、Aは過去の外国での潜入任務を思い出していた。

『…仲間の骸が転がってないだけ、同じ地雷だらけの地面でもこっちのがいいな…』

その任務で一番仲良くなった軍仲間が頭をチラついたが、Aはそれを強引に振り払って今は競技に集中した。

Aは地雷だらけの地面の手前で座り込み、地面を独特のリズムで軽く叩き始めた。

ﾏｲｸ「おぉーっと！突然しゃがみこんでしまったーっ！！
さすがの1位もここで為す術なしかーっ！？」

相「…いや、あいつ何かやってやがる」

『ひざし先輩、地雷如きで俺は先輩を諦めませんよ！』←

そう、Aは地面を軽く叩いて手に返ってくる振動を感じ取り、地雷の没入場所を全て把握していた。

『まずは予選、遠慮なく1位頂戴しますよ』ﾆﾀｧ

Aはスクッと立ち上がり、素早い身のこなしで地雷を全て避けて通った。

ﾏｲｸ「速すぎて見えなかったけど最終関門クリアーっ！！！
イレイザー！お前の寝袋スゲーな！」

相「俺が昨日一緒に寝てやったおかげだな」←

『俺が寝袋になって先輩を寝かせてあげたんスけど！？』

その先の何もない一本道を一気に駆け抜け、爽快なゴールをきめた。

ﾏｲｸ「雄英1年予選ステージ～！序盤からかなりの番狂わせ！！？
断トツ1位通過、普通科・付喪A！！！！」

『わーっ！先輩～！』

Aはゴールして早々に実況席に盛大に手を振った。

観客席からはかなりの声援が聞こえる。

相「予選1位通過、おめでと」

『せんぱい～///
あぁもうなんでここにいないんスかぁ…
こんな遠くから褒めてるなんて拷問っス！』←

息切れひとつしていないAは、ウットリしながらゴール会場を後にした。

後からゴールした2位の緑谷を控え室の中継で面白そうに見ていた。