相澤先生の寝袋 [ヒロアカ] (ページ28)

今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:172,011 hit

相澤先生の寝袋体育祭ページ28

『あれ？なんか凍ってる～…』

Aは走りながら振り返ると、遥か後ろのスタートラインでロボットが凍り付いているのが見えた。

『轟の個性かな？…にしても、みんな遅いな…
・・・コース間違ってないよね？』←

Aはだんだん不安になりながらも、かなりのスピードで走っていた。

潜入任務ばかりやっていたAは、任務事態がむしろ障害物競走のようなものなので慣れすぎている。

それが生きた人間や面倒な個性保持者を欺きながら情報を探るのよりも何倍も簡単なのは、もはや言うまでもないだろう。

障害物が機械やトラップなのだから。

ﾏｲｸ「おーっと！？さっそく第一関門を越えて1位独走しているのはーーーっ！？
なんと普通科！？！？」

『わぁｗひざし先輩ｗ俺ですってｗｗｗ
そんな大声で言わなくても……ちょっと恥ずかしいなぁ…(照))』

Aは照れながらも実況席に大きく手を振った。

相「A、真面目にやれ」

ﾏｲｸ「嘘だろーっ！？あれがJKになったA！？！？」←

相「おいバカこれ秘密事項だぞ！」

ﾏｲｸ「あっ」←

『嘘でしょ！？こんな大声でバラさなくてもいいじゃないスか～！』

轟が第一関門をやっと通過した時、Aは既に第二関門に到着していた。

『この会場かなりこだわって作ったんだなｗ』

穴だらけで所々の柱と一本のロープが足場になっている第二関門ステージの前で、Aは少し立ち止まって苦笑いした。

『うーん、じゃ、ロープ頂戴しますね～』

Aは埋め込んであるロープの留め具を引き抜き、助走をつけてロープにぶら下がり一気に陸地までターザンした。

『あーぁあーｗ』

誰も追いついてこないので、ターザンごっこまでやっていた。

しかし、こう見えてAはけっして手を抜いているわけではない。

相澤を好きにして良い権利が賭かった勝負なのだ。

Aは相澤に関しては絶対に手を抜かないのである。

ﾏｲｸ「またしても第二関門なんなくクリア！！
チートすぎるっ！！」

相「俺の寝袋なら、あれくらいできて当然だ」←

『ふっふっふっ先輩、覚悟してくださいね
今夜は寝かせません』←

Aは、実況スピーカーから相澤の声が聞こえるたびに幸せな気分に浸っていた。

いつもは寝袋として0距離でピットリとくっつかっている相澤が、今日はかなり遠距離にいる。

そのことだけでもAは寂しかったのだが、0距離と同じくらいよく聞こえる相澤の声に嬉しくならないわけがなかった。