イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ7)

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休憩室に入ると、相葉くんは「あのさ」と言いずらそうに口を開いた。

「言いたくないかもしんないけど、教えてくれない？何でAちゃんがそんなに泣いてるのか」

『･････』

相葉くんの心遣いは嬉しいけど。

もしかしたら「最低な女だ」って軽蔑されるかもしれない。

今まで応援してたのにって。

そう思うと顔に押し付けた鞄を取ることはできなかった。

「大丈夫。どんなことだって受け止めるよ。ほら！高校の時だってそうだったじゃん！」

『高校･･･？』

「Aちゃんが俺のシャーペンに悪戯してた時とか！あー後、体育祭の借り物競争で「馬鹿」っていうお題で俺を連れて行ったこととか！」

『･･･だって馬鹿じゃん････』

「馬鹿じゃないよ！鈍感でドジなだけ！」

『あははっ。それが馬鹿っていうんだよ』

必死で弁解しようとする相葉くんが可笑しくて思わず笑ってしまう。

そんな私を見て、相葉くんは嬉しそうに笑った。

「良かった」

『え？』

「やっと笑ってくれた」

相葉くんの温かい手が優しく頭を撫でる。

「Aちゃんがそんな暗い顔してると、悲しくなっちゃうから。気休めでも笑ってほしいなぁって････あれ、Aちゃん！？」

彼の優しさに、止まりかけていた涙が再び溢れ出した。

一つだけとはいえ、私のほうが年上なのに。

なんて情けないんだろう。

相葉くんはいっつもそうだ。

私と智が大喧嘩した時もずっと話を聞いてくれてた。

馬鹿とか天然とかよく言われてるけど、それだけじゃない。

相葉くんにしかできないことがある。泣きたくなるような優しさがある。

「そんなに泣いたら目腫れちゃうよ？俺のハンカチ使って」

『うぅ････ありがと･･･』

「えっと･･･理由は大ちゃん？それとも翔ちゃん？」

『･･････実は、』

私は意を決して全部話すことにした。

もしかしたら軽蔑されるかもしれないけど、相葉くんになら、って
素直に思えた。

最初は相槌を打ってくれていたけど、後のほうになると

声も出さずただ黙って聞いていた。

途中で声が震えて上手く話せなくなったけど、それでも
相葉くんは背中を擦りながら

「ゆっくりで大丈夫」「Aちゃんのペースで話して」

って優しく言ってくれた。

「･････そっかぁ」

そう呟いた相葉くんの目はどこか遠くを見ていた。

どう、思われたのかな。

最低だね、って言われる？