イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ45)

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「先輩！ここ分かんないんですけど････」

『え、また？この前も同じ件で相談してこなかった？』

「だって、分かりにくいんですもん。先輩に聞いたほうが分かりやすいです」

『褒めてくれるのは嬉しいけどね･･･』

眉を下げて上目遣いする新人の後輩に心の中でため息をつきながら資料に目を通す。

頼られるのは嫌いじゃないけど、流石に何回も来られるといい加減疲れる。

相葉くんは馬鹿だけど仕事はできるし、この子は彼とは全く違う。

正直、二宮くんみたいに自分でやってくれたほうが助かるんだけどな。

「･･･････先輩」

そんな私の心情など知らない後輩は、こてん、と首を傾げた。

ああ、出た。あざとい動き。

「もしかして疲れてるんですか？」

『あー････うん、まぁね。最近忙しいし、悩み事とかもいっぱいでねー･･･』

だから自分でやってくれ、と遠回しに言ったつもりだったんだけど。

「僕でよければ相談に乗りますよ！」

どうやら後輩には通じなかったらしい。

･･････智でも二宮くんでもいいから助けに来て。

え？相葉くん？
あの子が来たらカオス空間になるからダメ。

「A」

後輩の対処に困っていると、智から声をかけられた。

来た、救世主。

「さっき企画書見せたら、課長すっげぇ喜んでくれたよ。やっぱAのあの案が良かったみたいでさ」

『あ、本当？却下されたらどうしようかと心配してたところだったんだよ･･･』

「却下されたことなんてほとんどないだろ」

智はいつもより緩い笑みをしながら、後輩へと視線を移した。

「･････で、君はいつまでそこにいるつもり？」

笑顔なのに視線は冷たい。

それは後輩も感じたようだった。

「Aが君の教育係じゃないってことは分かってる？」

「は、はい」

「確かに、分からないことは何でも聞いたほうがいい。だけど覚えようともせずに何回も聞きに行くのは違うよね？」

「･･････」

不満そうに唇を尖らせている後輩に、少々イラっとする。

そんなあからさまに嫌そうな態度取る？普通。

せめて分かりにくくしなさいよ。

「････････しょう････」

「え？」

「お二人って、付き合ってるんでしょう？」

『････はい？』

「だから僕と先輩が話してたら邪魔してくるんでしょう？嫉妬なんて見苦しいですよっ」

･････話にならないな。

智と目を合わせ、がっくりと肩を落とした。