イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ43)

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『教えて！』

「無理。絶対言わない」

『何で！！』

「俺達の口からは････」

「言えない･･･よねぇ････」

ちょっと！それされたら気になるって言ってるでしょ！！

「あ、大沢さん」

『佐倉ちゃん！』

そうだ、佐倉ちゃんに聞けばいいじゃん！

智のことなら何か知ってそうだし。

多分何でも話してくれる。

『智は？今どこにいるの？』

「えーっと････」

佐倉ちゃんは二人をじっと見た。

二宮くんは小さく頷いて、相葉くんは不安そうに私の様子を窺っている。

だから何なのこの空気！

「････大野さんは、営業部に行ってます」

『･･･････営業？』

“海外じゃなくて営業部にって話だったんだけど･･･”

＿＿＿＿＿＿＿＿あ、そういえ、ば。

海外赴任は嘘だったけど、営業部に行かないかって話があるっていうのは本当だって言ってた。

まさか。

『っさ、智、営業部に行っちゃうの！？』

「え？あ、ああ、いえ、そういうことじゃなくて･･･櫻井さんに会いに行くって」

『････翔くん？』

どうして智が？

『何で会いに行ったの？』

「･･････それは････」

きっと、智が翔くんに会いに行った理由と、三人が気まずそうにしてる理由は繋がってる。

どうして私に言えないのか。

･･････ぞわっ、と体が震えた。

嫌な予感がする。

聞きたくない。でも聞かなきゃいけない。

知りたくない。でも知らなきゃいけない。

そんな気がする。

『お願い、教えて』

「でも、」

『智と翔くんだけの問題ならともかく、私が関係してるなら知りたい』

「･･･････分かり、ました」

「えっ、ちょ、ちょっと！？」

慌てて止めようとしている相葉くんを無視し、佐倉ちゃんは真っ直ぐに私を見た。

どくん、と心臓が跳ねる。

「その････すごく言いづらいんですけど･･･」

佐倉ちゃんは何度か視線を泳がせる。

そしてそっと私の耳元でこう囁いた。

.

.

.

「櫻井さん、社長令嬢と結婚するみたいなんです」

ぐらり、ぐらり。

「式は挙げないけど、でも夫婦になるって大々的に発表してて、」

ぐらりんり。

「それを聞いた大野さんが、櫻井さんに確かめる、って営業部に････」

目の前が、世界が揺れてる。

「････Aさん･･･？」

ぐらり、と地面についていた足が宙に浮いた。