イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ27)

今日:26 hit、昨日:0 hit、合計:73,152 hit

～１７１～ページ27

お願い、お願いだから。

『助けて松本くん！！』

「無理。嫌」

『ひどいぃ････！』

翌日、

べそべそと泣く私の隣には松本くん。

本当は智達についてきてほしかったけど･･･

「やぁだ。一人で行けよ～」

「大丈夫ですって。命取られるわけじゃあるまいし」

「ファイトー！いっぱーつ！」

「雅紀、うるさい」

と、ことごとく断られてしまった。

智は沖縄の件から本当に変わったと思う。

いや、本来の智なんだって分かってるけど。
やっぱり戸惑いはあって。

というか今回に至っては前の智みたく

「俺が傍にいるから、安心して？」

とか言ってほしかった。

松本くんは頼み込んだら何とかついてきてくれたけど、

それでも中までは無理だと断られた。

『大体、社長令嬢が今更何の用なの････？』

「さぁ？「人事部の大沢Aを知ってるか」って聞かれただけだし･･･けどすごい形相だったから呼び出されてなんか言われるんじゃないかって思ってさ」

『･･････松本くん、優しいんだね』

翔くんのこともあるだろうに。

「････別に。別れたとはいえ、翔くんは翔くんなりにあんたのこと気にしてるみたいだから、俺が守らねぇと。･････といっても、あんたには大野さんがいるんだっけ」

『･････どうなんだろう』

「は？」

「傍にいてほしい」とは言われたけど、だからってベッタリってわけじゃない。

智がそれを望んでいないのならする必要もないし。

っていうか翔くん、私のこと気にしてくれてるの？

めちゃくちゃ嬉しい。
自惚れちゃいそう。

････････なんて言ったら松本くんに殺されるな。
(目で)

「････喧嘩でもした？」

『ええ？何で？』

「だって普段なら自主的についてくんだろ。「俺が傍にいるから、安心して？」とか言ってさ」

松本くんはエスパーなの？

何で智の言いそうなことが分かるんだ･･･。

「断るなんておかしいと思ったんだよ。あんたらでも喧嘩なんてするんだな」

『いやっ、そうじゃなくて･･･なんというか、本来の関係に戻ったというか････？』

「？本来の関係？」

『えっと、話すと長くなるんだけど。一言で言うと、亡くなった幼馴染になりきって私と接してたって感じ？』

「はぁ？全然分かんねぇんだけど。････まぁ、それはいつか聞くわ。それよりも今だ今」

「遅ぇ」って苛ついた様子で足を組む松本くん。

････社長令嬢が来ないんだけど。