イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ23)

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“智”じゃ、祝福できない････。

ってことは、もしかして。

『･･････あの、こんなこと聞くのもなんだけど････智は私のこと好きなの？その、恋愛的な意味で･･･』

恥ずかしながらも勇気を出して聞いてみると

「はぁ？」と素っ頓狂な声を出された。

････････え？？

え、なに？違うの？

話の流れ的にそうじゃないの！？

「A･･･それは流石に自惚れすぎだと思うわ」

『ひどっ！そんな言い方しなくても！！』

「ええ？俺がAを？どうやったらそんな思考に辿り着くのか知りてぇ」

『う････』

呆れたようなため息に、私はやっと実感する。

＿＿＿＿＿＿＿＿これが、「大野智」の本当の姿なんだって。

ちょっと口が悪くて、やる気のない顔してて、

私の手を握って天使のような笑顔で「好き」って言わないのが

本当の、智。

「まぁ、確かに俺はAを翔くんから奪った。だけどそれは恋愛とかそういうのじゃなくて････ただの、汚い執着。おもちゃを取られそうになってる子供と同じだ」

執着。

･･･････そうだ、あの時。

“そこで俺達はお互いに気付いたよ。これは恋とか愛とかそういうくっせぇのじゃなくて

「執着」っていう、汚い感情なんだってさ”

松本くんが言ってた。

愛とか恋とかじゃない、「執着」ていう感情なんだって。

『････私も、そうだよ』

私も、智に執着してる。

「依存」と「執着」なんていう感情を抱いてる。

きっと、薫ちゃんが亡くなって、傷付いてるところに智が
ずっと一緒にいてくれたっていうのも原因の一つだろう。

『その執着心を捨てられなかったから････』

だから、翔くんの手を放すことになったんだ。

「･･････どこで、間違ったかな」

智のその言葉は、あまりにも重い。

「････多分、Aと出会ったところから間違ってたんだな」

『！！』

思わず顔を上げる。

なんで。

なんでそんなこと言うの。

『･････私と出会ったこと、後悔してるの････？』

「････してない」

『だったらそんなこと言わないでよ！････っ友達になったことが間違いだなんて、あんまりだよ････』

「･･･････ごめん」

そんなつもりじゃなかった、って消えそうな声。

･･････智は抱きしめてくれない。

優しい言葉もかけない。

もう、“薫ちゃんでいること”を止めたんだね。