イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ18)

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「は～、食った食った！」

『おじさんか』

いっぱい泳いで、いっぱいお土産買って、いっぱい食べて。

今回の旅行は、本当に楽しかった。

一泊二日なのは残念だけど。

ただ、気になるのは････やっぱり、智の態度だった。

いつもと明らかに違う。

だけど「いつも通りだよ」って言われちゃうとそれ以上聞けない。

どうすればいいんだろう･･･。

「A」

智が私の手を取った。

「････ちょっと付き合って」

『え、智？』

どこに行くの、という問いにも答えないままホテルの外へ連れ出される。

しばらく外を歩いて、彼は歩みを止めたと同時に声を上げた。

それに反応して顔を上げると。

『･････き、れい････』

目の前には満天の星空が広がっていた。

プラネタリウムなんか比じゃないくらい。

「受付の人がこっそり教えてくれた」

『え？何で？』

「さぁ？「本当は良くないんだろうけど、お客様はかっこいいので特別に！」って」

さぁ？じゃないよ。

明らか好意持たれてんじゃん。

アピールされてるじゃん。

「「彼女さんとどうぞ」だってさ。どこをどう見たらそう勘違いするんだか」

と思ったら違った。

ただの世話焼きな人だった。

『どんだけモテたら気が済むの････』

「別に好きで囲まれてるわけじゃないし･･･」

『うわ、全国の男性を敵に回したな』

「んふふ」

ふにゃふにゃっと笑う。

相変わらず緩い。けどそれが安心するんだよね。

「･･････今回、Aを旅行に誘ったのは理由があって」

『？理由？』

「････ちゃんと話さなきゃいけないと思ったから」

『･･･え、』

さっきの緩い笑みとは打って変わって、かなり真剣な表情。

それだけで察する。

『･･････薫ちゃんのこと？』

「････」

黙って頷く智。

「家じゃ話しづらかったし、“俺として”話したかったんだ」

『･･･？どういうこと････？』

「････全部話すよ。俺が今日いつもと違ってたことも、薫のことも、･･･あの日、翔くんからAを奪った時の気持ちも」

『･････全部････』

「････最後まで聞いてくれる？」

細められた瞳は、どこか不安げで。

････････聞くに決まってる。

全部、受け止めたいから。