イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ13)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:73,159 hit

～１５７～ページ13

図星、なんだね。

なんだかんだで、翔くんも嘘が吐けない性格してると思う。

『私がこんなこと言うのはおかしいかもしれないけどさ････自分を追い込まないでよ。悪いのは私なんだから、私を責めてよ』

「･････」

『「お前のことなんかもう嫌いだ」って言われるのならそれはそれで････悲しいけど、つらいけど、まだ「遊びだった」なんて嘘吐かれるよりずっとマシ』

「････お前って、ホント馬鹿なんだな」

『え？』

「脳内お花畑かよ」

治療は終わったのか、翔くんが救急セットを棚に直しながらため息を吐いた。

「潤はお人好しだし、俺のこと「良い人だ」って信じ込んでるからそういうこと言ってんの。ああやって引き止めたのは････お前に別れられると困るから」

『なに、言って････』

「んじゃ単刀直入に言うわ。

実は俺、二股してた」

ぐわん。

頭が痛い。

翔くんの声が遠く聞こえる。

二股？

そんなわけない。これも翔くんの嘘････

「前から社長令嬢と付き合ってんの。んで結婚してほしいってせがまれてたんだけど、そうしたら立場とかさ･･･色々めんどくさいことになるじゃん？俺としてはもうちょっと遊びたいから「あと二年付き合ったらね」って断ってたわけ」

そんなわけないよ。

そんな、わけ････。

「だけどついこの間、「今結婚して」って泣きつかれちゃって。マジでめんどくさくなったから「他に好きな人ができたんだ」っていう理由で断れねぇかなって思ってさ。ま、お前は智くんの元に行っちゃったわけだけど？」

『う、嘘････』

「嘘じゃねぇよ。なんなら本人に聞いてみれば？「翔さんとお付き合いしてます♡」とか惚気るぞ」

『･････』

「･･･これなら、いくら馬鹿なお前でも信じるだろ」

いつか、智が言っていた言葉。

“そもそも、みつきと付き合う前から親しそうだったじゃん”

違う。

“みつきがなかなか振り向かないから社長令嬢に乗り換えようとキープしてたんじゃないの”

違う、はずなのに。

“前から社長令嬢と付き合ってんの”

翔くんの笑みが、あまりにも冷たくて

“俺としてはもうちょっと遊びたいから「あと二年付き合ったらね」って断ってたわけ”

それが嘘なのか真実なのかも分かんない。

“そんな不安がることねーよ。翔さん、あんたにベタ惚れだし”

一体誰が正しいの。