今日からうちの子 (ページ37)

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第37話ページ37

おやつを食べ終えて、動き回るAに美容院ごっこをやるから座ってと言って、床に敷かれたダンボールの上に大人しく座らせる。
服に切った髪が付かないようにビニール袋で器用に作られたエプロンを被り、ハサミを構えるモトキにAは興味津々に見詰め、周りの大人は少し不安そうに見詰める。

ﾓﾄｷ「よし、じゃあ切りまーす」

ﾍﾟｹ「慎重に！絶対失敗しちゃダメだから！」

ﾓﾄｷ「分かってるってー」

ﾀﾞｰﾏ「余裕そうなのがまた怖ぇんだよな」

くしで前髪を調節し、美容師の見様見真似で切る位置を決める。
ちょっと量も減らしたい、なんて言いながら何の躊躇も無くハサミを入れようとする。

ﾍﾟｹ「あぁー！ダメ！もっと下！短過ぎ！」

ﾓﾄｷ「うるっさいなー、びっくりしてバッサリいくとこだった」

ﾝﾀﾞﾎ「ぺけたん一旦黙ろう、モトキなら失敗しないから大丈夫」

ｻﾞｶｵ「モトキのハードル上げやがったなお前」

ﾝﾀﾞﾎ「あっ」

そんな会話を横で聞きながら、数ミリ切ってみた。
「なるほどね」と独り言を呟いて、次は先程より思いっ切り、そしてそれがスタートの合図のように一人で黙々とAの前髪を切っていく。

ｻﾞｶｵ「あー、ちょっと右切り過ぎじゃね」

ﾀﾞｰﾏ「歪んでるな」

ﾓﾄｷ「量減らしながら合わせるよ」

ﾍﾟｹ「もﾞっぎゅんﾞ！」

ﾝﾀﾞﾎ「まぁ…オン眉も可愛いよねって事で」

ﾏｻｲ「Aはどんな髪型でも似合うもんな？」

『う！』

何度も調節を重ねるうちに前髪は眉毛の上にまで短くなってしまったが、Aならばどんな髪型でも可愛いので良しとする。
ただ一人の兄を覗いて。

ｼﾙｸ「誰だ、Aの髪勝手に切ったの！短っ、ポンスか！」

ﾓﾄｷ「ポンスよりは長いでしょ、頑張ったんだから文句言うなよな」

ｼﾙｸ「犯人はお前か！俺が寝てる間に！」

ﾏｻｲ「熱また上がるぞ」

『にちゃ、ねんねよぉ』

ｼﾙｸ「くっ…がわいい…」