今日からうちの子 (ページ30)

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第30話ページ30

シルクが撮影に戻り、バディも付き添いに行った為、絵を描きながら大人しく待つように言われたAは、最初こそ言われた通りにしていたものの、飽きが生じてコソコソと機材の影に隠れながら現場を探索していた。
お絵描きセットやおもちゃの入った小さいリュックを背負い、狭い隙間を通って大人達の居る中へ入っていくと、一度見た事のある外ハネの頭を見付けて駆け寄った。

『とみ！』

ﾄﾐｰ「ん？あれ、お嬢何でこんな所居んの？」

『にちゃは？』

ﾄﾐｰ「シルク探してんの？今あっちで撮影中だわ」

『かちゃも、おちごと？』

ﾄﾐｰ「カンタ？カンタは休憩」

以前はトミーに慣れず号泣していたAも、今では抱き上げても泣かなくなりご機嫌に話している。
すると、トイレ休憩に行っていたカンタが戻ってきて、その後ろにはモトキも居た。

『あーっ！もちゅ！』

ｶﾝﾀ「あれ、トミー拉致った？」

ﾄﾐｰ「拉致ってねぇよ。お嬢が此処まで歩いて来たの」

ﾓﾄｷ「お嬢、トミーとお話してたの？よかったねぇ」

『うん！』

ﾓﾄｷ「でも勝手に一人で行っちゃ駄目です、バディさん探してたよ」

トミーからモトキへ移ったAはつん、と鼻先をつつかれる。
モトキなりの叱り方なのだろうが、Aは擽ったそうに笑った。
四人で撮影風景を眺め、Aは時折シルクに手を振り、それが嬉しいのかシルクもニヤニヤと笑う。

『もちゅ、』

ﾓﾄｷ「ん？何？降りるの？」

『にちゃのとこ』

ﾓﾄｷ「まだ駄目だよ、お仕事中」

ﾄﾐｰ「お嬢、トミーの所おいで」

ｶﾝﾀ「トミーの所は食べられるよ」

ﾄﾐｰ「食べねぇよ」

『かちゃ！』

ｶﾝﾀ「何で俺ー？」

結局、Fischer'sの撮影が終わるまでカンタがAを抱いてトミーに遊んで貰っていたそうな。