社員さんと一緒。【うらみちお兄さん】 (ページ48)

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旅行、日曜日夜。３ページ48

あぁ、どう思われてるんだろう…

主『それで中学生になって初めて剣道の大会に出たんです。
皆、道場とかで練習してきているとはいえ
女の子ですし私のような前時代的で死にかけるような修練はしてきてないので
中学全国三連覇しちゃったんですよ』

兎「マジで？」

主『マジです。』

主『三連覇を果たした頃、祖父が亡くなり、もう親族もいないし、施設行きかなーって思ってたんですけど
たまたま御葬式に来た警察の師範時代祖父にお世話になってたという方が
施設に行ったら剣道が出来なくなるかもしれない、君は剣道を続けるべきだーって後見人になって下さって……』

池「良い方なんですね」

主『まぁ、良い人だよね。でも、その人にも家族があるから迷惑もかけられないし
寮に入る為に剣道で推薦が来てた高校に特待生として入ったんですよ。
みつ兄に会ったのはこの頃。体大に出稽古に行った時』

熊「……あぁ」

主『それで、みつ兄が聞いてた剣道やめた理由はね…剣道は職業としてお金にならないからとお金がかかるから。
両親と祖父の遺産があるとはいえ、多かった訳じゃないし、大学の費用と生活でいっぱいいっぱいで続けられなかったのと…あとは、何も無いって思い知ってしまったから、かな』

裏「なにも、ない…？」

主『高校３年で進路希望を聞かれた時、剣道以外に出来る事もなくて、やりたい事も思いつかなくて
やりたかった訳でも好きでもなく、そうするしかなかったから続けてきた剣道なのに、
今の自分にはそれしかないって気付いて……
なんていうか凄く落胆？してしまって…』

裏(あ………なんか、分かる気がする……)

主『とりあえず大学行って、世間とか、世界とか、人とか、今まで見てこなかったものに触れようと思って…
それから、アモンさんを見て、それで私には何もないからこそ、何かを作る能力はないけど、何かを作る現場にいたいなってＭＨＫに……』

詩「え、アモンさん？？」

主『あ、アモンさんのお兄さんなんです。私の後見人』

詩「えぇっっ？！」

裏(あ、それで…)

主『そんな生い立ちなので、よくワーカホリックとか言われますけど
何かで自分を追い込んでいないと落ち着かないというか……
祖父の教えで「無駄な努力などない。なぜなら結果が伴わない努力は努力ではないからだ。出来るまでやり続けろ、出来ないは認めない」っていうのが染み付いてて』

熊「……」(多分、ストイックとは違うんだろうな……)

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