1st kiss （4） yb×ar ページ7
△▼
→yb×ar
→のんりある
▲▽
yb.side
「ね、にーちゃん？」
かたかたとやかんを揺らして、
止めて。
適温になったところでお湯を注いで……。
そうやって、丁寧に淹れたインスタントコーヒーを、リビングまで運ぶ。
……その頃合いをみはからって、
お風呂上がり。ソファを1人で占領しながら
あまーいココアをすする大貴は、口を開く。
俺は、仕方なくテーブルにカップを置いた。
「なに？」
「にーちゃんってさ、俺のこと好き？」
「……は、？」
真顔で、くりくりの目をくりくりにして
何を言ってるのか。
すっとぼけた間抜けな声を漏らした俺は、いったんコーヒーを口に含む。
すうっと香りが鼻を抜けて、頭に染み込んだ。
その香りを楽しむのも、コーヒーを飲む醍醐味なのに。
「ねぇ、すき？」
コーヒーの美味しさがわからない、
このお子ちゃまは、
コーヒーを楽しむ余裕さえくれなかった。
「まぁ、ふつうに」
「……うーん」
カップをおいて、途端に考え込んだ大貴。
なにを考えてんのか。
また、突拍子も無いことを言うんじゃないか。
くるくると頭を行き来するいろんな言葉に
頭がくすぶられる。
「……にーちゃんのそれって、
俺を恋人にしたい、っていう意味は含まれてないの？」
「……はぁ？」
大貴を、恋人に？
……なにを言い始めたの、こいつ。
「やっぱ、だめだよね」
俯いて、
すこしまぶたを落として床を見つめた。
いつもは
すこぶる元気で、うるさくって。
能天気で、破天荒。
いい意味でバカ。悪い意味でもバカ。
なのに……、
「なに大貴……。
俺のこと、すき、……なの？」
.
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作者名：濃いピンク | 作成日時：2018年6月18日 21時
