初めてのちゅー。（JUMP×JUMP） (ページ11)

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「……俺の、って言っちゃった笑」
「……」
「…助けてあげられなくて、ごめんね」

唇を噛み締めて、俺よりも泣きそうな顔してつぶやいた伊野尾。

どうして、と漏れたかすかすな声に、伊野尾は小さく微笑んだ。

「……だいちゃんに呼ばれてる気がした」
「…なんで、俺のこと」
「好きだからに決まってんじゃん」

さらりと、呼吸をするように紡がれた言葉。
がりがりと恥ずかしそうに頭を掻いた伊野尾が、ふっと小さくわらった。

「…初めて見たときから好きだって思った、仲良くなりたいし付き合いたいって思った。…髪切ったら、メガネ外したら…絶対かわいいと思った。」
「っ……」

女みたいなかわいい顔が真剣みを増して男らしくなっている。

男と、いったいいち。
普段なら発狂してしまいそうなシチュエーションなのに、こいつは、こいつだけは。

かつかつ、ローファーを鳴らして伊野尾がこちらへ近づいてくる。

泣きそうな顔を見られたくなくて、思わず俯いたら足音がぴたっと止んだ。

「………ごめん、だいちゃん…俺が怖がらせちゃったら意味ないのに」

機嫌を伺うような震えた声。

違う、違うんだ、お前は、お前だけはね、

「……触れてほしい」
「…え」
「……慣れてないから、怖くなくはない…」
「……」
「…でも、変なんだよ！お前だけは、一緒にいても怖くないし、会いたいって、助けてって、「だいちゃん」

気付けば、ボロボロと涙をこぼす俺は伊野尾の腕の中にいた。
かわいい顔して、意外とがっしりした男の人の腕。

正真正銘こいつは男なのに、体はまったく拒絶しなくて。

「だいちゃん」
「……俺も、お前のこと、」

好きだよ、
小さく呟いた言葉は、優しいこいつのくちびるに飲み込まれた。

＊＊＊

こんにちは。
ななみと申します。

今回、ついったでお世話になっている濃いピンクちゃんの企画ということで、嬉々として参加させていただきました。
やまちね好きさんが多い(であろう)中に推しカプのいのありをぶち込んだのは、布教させてやろうというわたしの魂胆でした…笑

普段はこういったおやこのこばなし。 [HSJ短編]お話を書いています。
よろしければお立ち寄りください|ω･`)

最後になりましたが、読んでくださったA様と、企画をしてくれた濃いピンクちゃまに、感謝申し上げます。

ななみ