happIness*1-1 ページ1
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付き合って何年経ったか、なんて最近はもう面倒で数えてすらいない。
元々記念日とかそういう物に疎い方だし、
お互いに仕事もしているから忙しくて当日に思い出すことも普通にある。
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翔くんはそういうの覚えるのが得意で、
さらにマメだから、どれだけ忙しくても何かプレゼントを買ってきてくれたり、
いつもありがとう、という言葉をくれたりする。
はっ、とそこで思い出す私の様子を見てくすくす笑って、
また一年よろしくね、と付け加える彼は、記念日を忘れた私に怒ったり
小言を言ったりしたことは一度もなかった。
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一度付き合って、それから別れて、またお付き合いを始めた私たちだから
正直いつが記念日になるのか私はよく分かっていないし、
別れる前の期間を入れて良いのか、
それとも別れる前の期間はなかったことにした方が良いのか、
それも正確にはよく知らないから、数えていない、と言うより数えられない、と言うのが本音だ。
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でも、もう別れることはないんだろうなあと思うし、
この関係を明日から無かったことにしましょう、と言われたって無理がある。
恋人関係が解消されたって、
同じ事務所で同じグループに所属してるんだから、
月に数回、嫌でも会うし、コンサートが始まれば毎日一緒だ。
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何年経ったんだろう、とふと疑問に思うことはあるけれど、
指を折って数えるうちに、
まあ何年でもいっか、と思ってしまう。
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だって結局、この先の一年も一緒にいて、
その先の一年も、その先の一年も、私たちは隣同士にいるはずだ。
そうやって増えていくんだったら、
今が何年かなんて、あまり関係のないことのように思えた。
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カタカタと彼が打鍵する音と、
ぱさり、と私が紙をめくる音、
それから賑やかなテレビの音が混ざりあうこの空間で、
今日も私たちは、手を伸ばせば触れられる距離感で、生活をしている。
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それは、ひどく心地の良い空間で、
別に何かを話すわけでもないけど、
私はこれが気に入っているし、きっと翔くんもそうだ。
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安心する。
きっと、他の誰かには感じない気持ち。
ぐ、っと伸びをした彼の後ろ姿を眺めながら、
なんて穏やかで幸せな時間なんだろうと、ぼんやりと思った。
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