Amar *148 ページ5
頬杖をついたままの姿勢でいるのも疲れたのか、彼女がぽすりと胸に頭を預けてきてから少し。
試合も中盤に差し掛かってきたところで、彼女が不意に口を開いた。
「やばい、寝そう」
「─────は？」
凛あったかいから、
なんて言いながら、くたりと寄りかかってきた彼女に彼はぴしりと固まった。
言いたいことなら山ほどあった。
なんで野郎に抱えられといてそんな能天気にくつろげんだよ、だとか、
だいたいそんな疲れてんなら部屋に男入れるんじゃねぇよ、だとか。
もし、今ここにいたのが俺じゃなかったら、
なんて、考えたくもない。
「……人の気も知らねえで」
「…？」
くあ、と小さな欠伸を漏らした彼女は、彼を見上げると不思議そうな顔で小さく首を傾げた。
このまま喰ってやろうかと青筋が立ちかけたが、そこまで信頼されていると思えば何をどう誤魔化しても悪い気はしなくて。
小さな舌打ちをひとつ落とすと、膝の上の彼女を抱えたまま椅子から立ち上がった。
「わ、うわぁ」
「……」
慌てたように首にひっついてきた彼女に、憎まれ口のひとつでも叩いてやろうと口を開きかけた彼は、彼女の襟元を凝視したままその動きを止めた。
「り、凛さん？」
「……クソが」
抱き上げた拍子にずれた肩口から見えた、赤いキスマーク。
少し薄くなっているそれは、当然彼のつけたものじゃない。
ベッドの上に彼女を落とし、つぅっとその首筋を撫であげた。
「誰にやられた」
「え…？何、が……っ！」
主語がない文章に、彼女が戸惑ったような顔を見せたのも一瞬。
質問の意図を理解した瞬間、彼女の顔がかぁっと赤く染まった。
その様ですらも気に食わなくて、更に問い詰めようとした、その時だった。
枕元に置いてあった、彼女のスマホが震えた。
糸師冴最高だった
「────────は？」
ディスプレイに表示されたのは、今一番見たくない因縁の相手の名前。
あの雪の日、自分を捨てた実の兄のものだった。
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浅葱 - 初コメ失礼します！今日初めて読んだんですが、面白すぎて一気読みしてしまいました✨これからも頑張ってください！ (6月28日 22時) (
レス) @page12 id: 04fc96e134 (このIDを非表示/違反報告)
ぽよこっこ(プロフ) - 通知を見て、とっても嬉しくて、最新話すぐ読ませていただきました！！更新ありがとうございます！💕今後も楽しみにしています😊✨ (6月28日 8時) (レス) @page12 id: 7859abe11c (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - これって外部移動したんですか？😭 (6月13日 10時) (レス) @page10 id: 70a6164c97 (このIDを非表示/違反報告)
冴英(プロフ) - 何処に外部移動したか教えて下さい😭 (11月23日 13時) (レス) id: ab3dc66a34 (このIDを非表示/違反報告)
ＫＭエ - 私すごくこの作品が大好きで何回でもくりかえして読んでます．やめないで欲しいです (9月14日 13時) (レス) @page11 id: 46d79b2a9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：etoile | 作成日時：2023年12月29日 21時
