3話 ページ4
「んー?全然普通じゃん。」
着いた先は至って普通のビルだった。
ちょっと拍子抜けだ。もっと、いかにも!て感じのお城みたいな建物が出てくると思ったんだけどな。
えーと、何階だったっけ?と板前さんから貰った紙切れをもう一度確認し、目的の階へと階段を渡る。
目的地も一般的なドアで、表札はどこにもない。
普通の会社の事務所ですと言われたら絶対に疑わないだろう。
本当にここがヤ〇ザの事務所なの?と訝しみながらもドアを開ける。
「ごめんください〜!」
う、わぁ。
思わず声に出しそうになった。
扉を開けた先には、いかにも!って感じの男の人が沢山いた。
ピアスを耳、目、唇、鼻など至る所に飾るスキンヘッドの人。
顔の右半分を刺青で埋めている人。
たった今人をコロコロしてきましたよ、とでも言いそうな険悪顔の人。
つい、と目を逸らせば、大きな額縁と目が合った。
おどろおどろしい絵柄で家紋?のようなものが描かれている。
か、
かっけーーーー!!!!!!!!!
やばいすごい映画で見たまんまだ!なんだろうここ映画のロケ地?ロケ地かな?すごい!ヤ〇ザって本当にこんな感じなんだ!!やべーな!!めっちゃかっけー!!!
とりあえず虎杖君に明日自慢しまくろ!と内心でニコニコ笑いながら、周りをキョロキョロと見渡す。
誰に渡したらいいんだろ?どこに置いといたらいいかな?
そんなことを思っていると、キィ…と奥の重厚な扉が開かれた。
出てきた人は、私を見て優しく微笑む。
「あぁ、出前かな?」
「あ、はい!そうです!寿司屋です!」
私としたことが、ヤ〇ザとの初めての対面が楽しみすぎて、店名を言うことをすっかり忘れていた。
やっちったーと心の中で反省しながら、目の前の男性に「どうぞ!」とお寿司を渡す。
目の前の男性は、いわゆる「優男」ってやつだ。
大きな体を真っ黒の高そうな着物に包み込み、
ゆぅるりと弧を描く目は糸のように細くて、
長い黒髪をお団子に結っている。
道を聞いたら懇切丁寧に教えてくれそうな優しい顔をしているけれど、こういう顔の人が一番強いんだ。
私は知ってる。だって映画で見たもん。
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或 - 更新止まっちゃってる感じですかね…待ってます(泣) (2021年3月29日 23時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 続き楽しみです! (2021年3月10日 21時) (レス) id: f345edd9e1 (このIDを非表示/違反報告)
或 - この作品の夏油さんに沼りました!更新楽しみにしてます!!! (2021年2月27日 20時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
蛹(プロフ) - 緑の白猫さん» コメントありがとうございます!頭が切れて策士で、人畜無害な笑顔で着々と夢主の外堀から埋めていく夏油傑大好きなんですよ〜!!!ぜひぜひ嵌ってください (2021年2月27日 16時) (レス) id: 3eead30ed0 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - やっべぇこの作品の夏油さんに嵌まりそう。てか嵌まらせて下さい← (2021年2月27日 10時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蛹 | 作成日時:2021年2月15日 22時