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片想い・我妻善逸 ページ7

善逸side



「あ、…」


任務を終えてしのぶさんの屋敷で休息中の夜
大好きな人が縁側に腰掛けて星を見てた

声をかけようと思ったけどやめたんだ

だって俺の大好きなAが泣いていたから


「…」


女の子が泣いていたらすぐに駆けつける俺だけど
Aが泣いてる理由はすぐに分かったからそっとしておいて欲しいと思ったんだ

大好きな人だから分かってしまうんだよな
分かりたくないのに


「(早く戻ってきてね)」


なんてAの背中に語りかけて部屋に戻る


「善逸」


…戻ろうと思ったけど
呼び止められて振り返る


「A…」


やっぱり君は泣いていて


「泣かないで、俺まで悲しくなっちゃうよ」


ずっと見てきた大好きな女の子が泣いてるなんて
たえられないんだよ

そっとAの隣に座ると
俺の肩にこてんっと頭を置いた

悲しい音がする
これは失恋の音だ。


「炭治郎ね…カナヲちゃんが好きなんだって」


「…うん」


「私のほうが先に出会ったのに」


「…うん」


「私のほうが炭治郎の事好きなのに」


「…うん」


「私だっていっぱい頑張ったのよ」


「そうだね」


「振り向いてくれないなんて分かってた」


「うん…」


「だから諦めようともした」


「…うん」


「なのにね…」


「うん…」


「どうしても好きなの」


Aの目から溢れ出る涙
すごく悲しい音がする


「どうしてなのかなあ…
どうしてこんなに好きなのかなあ」


俺にはAの溢れ出る涙を止めることも出来ない


「それくらい本気だったからだよ
Aはよく頑張ったよえらいよ」


「善逸…」


出会ってからずっと一緒に過ごしてきた
鬼を狩る時だって寝るときだっていつだって

そんな中で俺は炭治郎の事を振り向かせようと頑張るAを見てきたんだ
そんな簡単に諦めれるわけないよな

だけど俺だってAを振り向かすために精一杯頑張ったんだよ
無理だって分かってたけど頑張ったんだよ

でもやっぱりAが泣いているのは嫌だ


「A、俺は笑ってるAの声が好きなんだ
だから泣かないで」


羽織でそっとAの涙を拭くと


「善逸の匂い…」


なんて言う君は天然なのか
俺をいつも赤くさせるんだ


「俺が側にいるからひとりで泣かないで」


「…ありがとう」


俺は君に片想いだよ
なんて言うとどんな顔するんだろう


いつか俺の事を見てくれたら伝えよう







end.

鬼と愛・猗窩座→←死・煉獄杏寿郎



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美桜 - 話好きです。続けて下さい。更新頑張って下さい。 (2019年3月2日 20時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
ファルル(プロフ) - 竈門炭治郎ですよ!門が抜けています (2018年8月8日 0時) (レス) id: 75508b9973 (このIDを非表示/違反報告)
たごちゃん(プロフ) - 涙が止まらないです。切なくて。すごく心動かされました。ありがとうございます。 (2018年7月7日 0時) (レス) id: dffad2ad26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:enen♪ | 作成日時:2017年7月20日 17時

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