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派手な愛・宇髄天元 ページ12

派手に好きです


それが私の告白の言葉。
あなたはまだ覚えていますか。


「ごめん、ごめんなさい。天元さん」


鬼舞辻無惨。
私の目の前で怪しい笑みを浮かべる男。


「お前はすぐ鬼になる」


そう言った。


「…っぐあ…っは」


大量の血を体内に流し込まれた。
細胞が悲鳴をあげる。











5日間。
私は鬼となる自分の体と戦った。

誰も喰わないように、傷つけないように。


最後に天元さんに会えるように。


ごめんなさい、わがままで。
出来ることならあなたに殺してほしい。


「…」


久しぶりに来た屋敷はいつもより広くて寂しく感じた。


「俺の屋敷に許可なしで入るとは」


ドンッと大きな音と共に庭へと飛ばされる。


「派手な鬼もいたもんだ」


砂埃で視界が閉ざされた。
この聞きたくてたまらなかった声。


「天元さん」


見たくて仕方なかったその顔。


「…っお前」


あなたの目に映る私はどんな見た目ですか?
酷く醜い私をあなたはどう思う?


「A」


ポカンと口を開けたまま動かなくなった天元さん。


「ごめんなさい」


そう言うと天元さんはボロボロと涙を流し始めた。
声も出さずに。


「嘘、だろ?」


「…嘘なら、良かった」


私のことを嘲笑うかのように満月がすごく綺麗で天元さんの綺麗な涙に光を届ける。


「だ、大丈夫。大丈夫だ。竈門の妹だって…」


「私は出来ない」


今にも我を失いそうなのに。
優しくしないで。


「だから、お願い。」


最後は美しくいさせてほしかった。


「派手に首を斬ってください」


だからせめて精一杯笑うよ。


身内が殺されるのも酷く辛いだろう。
だけど、愛した人を自らの手で殺さなくてはいけない時が来たら…


「無理だ…っ」


きっとできないよね。


「天元さん。私はあなたといれて幸せでした」


天元さんに近づいてゆっくりその綺麗な顔に手を伸ばす。


「日の光で死にたくないんです」


そう言うと天元さんは苦しそうに笑った。


「お前はいつも派手な女だな」


最後の口づけをして天元さんは私の首を斬った。



それはもう派手に。







end.

聴こえてる・我妻善逸→←好きな理由・冨岡義勇



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美桜 - 話好きです。続けて下さい。更新頑張って下さい。 (2019年3月2日 20時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
ファルル(プロフ) - 竈門炭治郎ですよ!門が抜けています (2018年8月8日 0時) (レス) id: 75508b9973 (このIDを非表示/違反報告)
たごちゃん(プロフ) - 涙が止まらないです。切なくて。すごく心動かされました。ありがとうございます。 (2018年7月7日 0時) (レス) id: dffad2ad26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:enen♪ | 作成日時:2017年7月20日 17時

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