第375話 ページ47
『だってさ、この"個性"でヒーローになるなら･･･私は、このトラウマを乗り越えなくちゃダメでしょ』
「･･･なんでだ？」
そう、純粋な目で見てくる轟に、水無月は歯を食いしばる
『だって･･････ッだって
もう嫌だった。
あの時は 何も出来なかったけど、今度こそ･･････今度こそは、なんとかしてやるって思ったの！
これ以上･･･ッこんな、身に覚えもないトラウマに負けるわけにいかないのよ！！！』
「･････････」
Aの、叫ぶようなその言葉を 轟は黙って聞いていた
(そうか･･････だから、あんなヤケクソになって、あの火災現場に単身で乗り込んでいったのか)
轟は、立てた膝に顔を埋めるAを見つめた
(コイツがここまで冷静さを欠くなんて･･･よっぽど焦ってたんだな)
【でも】
·
ポンッと、Aの頭に手を置いた。
「焦るなよ」
『･･･！』
「ゆっくり やっていけば、良いだろ」
『･･････っでも･･･水個性の私が･･･火災現場がダメなんて そんなっ･･･！』
「そうは言っても･･･焦って、突っ走って、今回みたいに命にかかわったら、夢もなんもないだろ
大事なのは、生きる事だろ」
『･･･』
ドクンッ･･･──!
「頼むから もっと、自分の体とか命とか大切にしてくれ」
Aのキョトンとした顔が、俺を見る。
『どうして？』
「･･･えっ」
え、どうして？
どうしてって･･･
『私がどうなろうと、轟には関係ないでしょ』
その言葉は突き放すというモノよりは、純粋な疑問のような言い方だった。だが それでも轟はムッと顔を顰めた
「関係ないなんて言うなよ。俺たち友達だろ」
『･･･』
「Aが傷付いたら、俺は悲しい」
「Aに そんなふうに言われたら、悔しい」
「Aの事、もっとちゃんと･･･いっぱい知りてえ」
轟は、Aの顔を覗き込んで そう言った。
·
＿＿チャリッ
『「･･･あ」』
その時、Aの右耳からフープイヤリングが落ちた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1917人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るむ(プロフ) - さすがに無理やり過ぎませんか？こんな性格悪過ぎ女好かれないと思います…口調も男みたいですし、嫌われ女なら分かりますが、好かれてるのは分かりません。どこが良いんですかね…？ (2023年4月17日 22時) (
レス) @page44 id: fe9b123905 (このIDを非表示/違反報告)
サボり日和 - めちゃくちゃ面白いです！！一気読みしちゃいました！物間君との試験のところとか、仮免試験のときの水無月ちゃんがかっこよすぎて……！！アニメや漫画で見てみたすぎる！応援してます！お体には気を付けて更新頑張って下さい！！ (2022年4月5日 13時) (レス) @page49 id: 88c73e1f71 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - 怜さん» 嬉しいコメントをありがとうございます！こちらこそ、よろしくお願い致します (2021年10月3日 1時) (レス) id: 2125adda19 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - ナッツさん» ありがとうございます！！とても嬉しいです！これからも、よろしくお願い致します (2021年10月3日 1時) (レス) id: 2125adda19 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 轟くんと夢主ちゃんの小説を探しててたまたま見つけたんですが、すごく面白くて一気読みしてしまいました…！これからも更新楽しみにしています🙌🏻 (2021年10月2日 12時) (レス) id: 3b2a90c584 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綾林檎 | 作成日時：2021年9月17日 18時
