第883話 ページ46
『
水無月が掲げていた両手を地面に下ろすと、ウォーターフェニックスが水を纏った状態で地面に飛び込んできた。凄まじい勢いで地面とぶつかり合ったフェニックスは、辺り一面に大量の水を撒き散らす
ポップコーンが弾けるように撒き散った水は、この辺り一帯を水浸しにした。凄まじい勢いで飛び散った水達は「目眩まし」となり、警察やヒーローが目を開けた時には、そこに水無月の姿は無かった
「塚内警部！マスティマがいません！！」
「クッ･･･───イレイザー！」
塚内が何か言う前に、相澤はゴーグルを着け、既に"個性"を使って周囲を見回していた
「ダメだ、もういない」
「くそ･･･！」
「急いで追いかけろ！！」
「あの傷では遠くまでは行ってないはずだ！急いで探せ！」
警察･プロヒーローが捜索に動く中、相澤は一人 公園に立ち尽くしていた
「･･･」
すると、彼の鼻の頭にポツッと水滴が落ちる
「･･･雨、か。今日は本来、雨が降る予報じゃなかったんだが･･･(水無月の"個性"で空気中の水分が引き寄せられたのか･･･相変わず とんでもねぇ"個性"だ)」
「これでは、彼女を見つける事も困難になるな。脱水症状もある程度 回復させてしまうだろうし」
「･･･」
塚内の言葉に、相澤は黙り込んだ
この目で見るまでは、信じられなかった
あの水無月が･･･内通者で、死柄木の妹？
そんなハズない
確かに･･･初めの頃は問題児だった
けどアイツは成長した
口は悪くても友を想う不器用な奴だった
死穢八斎會の事件では、俺を窮地から救ってくれたアイツが･･･
「たくさんの
相澤は徐ろにゴーグルを外す
「･･･イレイザー？」
「ヒーローにしろ敵にしろ･･･何かの目的の為に戦う奴の目には、迷いがない。俺は･･･きっとアイツの目には、多少なりと迷いが出る･･･そう思ってたんです」
ところが、それは大きな間違いだった
水無月の目には一切迷いなどなかった。あの成長の日々も、不器用な優しさも、ヒーロー志望としての言動も全て･･･俺たちを出し抜く為の嘘だったという事
「･･･」
外したゴーグルを、ギュッと握り締めた
かつての友から貰った大切なゴーグル
「お前が間違った道に進もうとするなら、俺は必ず止めてみせるよ、水無月」
俺はお前の、先生だから
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りん - 更新ありがとうございます！次回も楽しみにしてます！ (10月2日 20時) (
レス) id: 73e65e112f (このIDを非表示/違反報告)
瑠菜(プロフ) - いつも読ませて頂いてます！最近沢山更新して下さって嬉しいです！次も楽しみにしてます！！ (10月2日 20時) (レス) @page50 id: 7dd3e7d4a1 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - ごんさん» 1日で読んで下さったんですね。長かったでしょうに、ありがとうございます。完結まで長くなるかと思いますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。次回もよろしくお願いします！ (10月1日 23時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - たびするひよこさん» ドキドキキュンキュンして頂けて嬉しいです！次回は続編です。何卒よろしくお願いいたします！ (10月1日 23時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - さっつんさん» そんなふうに言って頂けて本当に嬉しいです。とても励みになります！最後まで頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします (10月1日 23時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2024年5月5日 6時
