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第868話 ページ30

「ヤケにペラペラ話すじゃねえか」

轟は正に、苦虫を噛み潰したような顔と声だった



「だってさァ!」

アヴァリスは口から副流煙を吐きながら せせら笑う



「秘密主義者なアイツにとって、これが一番嫌な事だろ」

「アイツ・・・って」

「決まってンだろ。平気な顔して俺の大事なモンを奪っていった・・・」










「水無月Aだよ」











.










.










▽同時刻 - 某所、廃ビルの一室



『・・・』

ガラスが外れた窓から、外をボーッと眺める水無月。部屋の出入口付近はスクイーラーと黒川が守っている





「すいませんでした。ちょっと目を離した隙に、アヴァリスの奴・・・逃げてしまって」


スクイーラーの言葉に、黒川は端的に「もういい」と返した



「それにしても、アヴァリスは何を考えてるんでしょう。水無月家の新春公演を襲ったりするなんて。何故あんなことを・・・」





『・・・嫌がらせだろ。アイツは、私が嫌がる事をするのが好きなんだ』

無表情な水無月が、淡々と呟く



『アイツは私を憎んでいるからな』

「なぜです・・・?」

『なぜって、そりゃまあ・・・










アイツの親を殺したのは、私だからな』










.










.










「・・・嘘だ」
轟が怒りに震え、拳を握る



「ん?」
アヴァリスは白々しく首を傾げた




「マスティマが俺の両親を死なせた(・・・・)って話?悪いけど嘘じゃ・・・」

「ふざけんな!Aがそんな事をするはずねえ!!」

「そう思うか?」


小馬鹿にするような笑みを浮かべるアヴァリスを、轟は酷く悔しそうに睨み付ける


「(奏雨さんといい、コイツといい・・・なんだってんだ)





Aはそんな事絶対しない。俺は・・・アイツを信じる!!」



口にしてからハッと、轟は自分の発言に驚く




(信じる・・・?俺は何を根拠にそんな)





「プッ・・・アッハハハハ!!」

アヴァリスは声高らかに笑い出した


「信じる?まだあの女を友達か何かだと思ってるみたいだな?マスティマは敵だぜ?」




(ンな事、言われなくても分かってる。でも・・・俺は・・・)

握った拳の力を緩め、掌を見下ろす轟。その表情は悲しげだった



「そういえばキミ、雄英体育祭に出てたね。ごめんなァ、昨日は覚えてなくて。俺、基本マスティマ以外は見てなかったからさ」


「?」




「キミは信じたいんだね


マスティマを・・・あの女と過ごした日々を」

第869話→←第867話 -轟とアヴァリス-



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りん - 更新ありがとうございます!次回も楽しみにしてます! (10月2日 20時) (レス) id: 73e65e112f (このIDを非表示/違反報告)
瑠菜(プロフ) - いつも読ませて頂いてます!最近沢山更新して下さって嬉しいです!次も楽しみにしてます!! (10月2日 20時) (レス) @page50 id: 7dd3e7d4a1 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - ごんさん» 1日で読んで下さったんですね。長かったでしょうに、ありがとうございます。完結まで長くなるかと思いますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。次回もよろしくお願いします! (10月1日 23時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - たびするひよこさん» ドキドキキュンキュンして頂けて嬉しいです!次回は続編です。何卒よろしくお願いいたします! (10月1日 23時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - さっつんさん» そんなふうに言って頂けて本当に嬉しいです。とても励みになります!最後まで頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします (10月1日 23時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾林檎 | 作成日時:2024年5月5日 6時

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