第610話 ページ4
＊ ＊ ＊
質素なのに、どこか重々しい雰囲気の部屋
ここは水無月病院の院長室だ。
『･･･』
眉間に皺を寄せ、腕を組んだ制服姿の水無月。高級な本革ソファに我が物顔でふんぞり返り、組んだ足をテーブルに上げた お行儀の悪い･･･───
「よお、久しぶりだな。水無月家の時期ご当主サマ」
『･･････』
「まるで
『･･･水無月
「あのなァ･･･俺はこれでもお前の母親より年上だぞ。敬語使え、敬語」
この男こそ、名医と名高い天才医師。水無月病院院長、水無月
『フンッ。真っ平御免だね』
「お前の左目の命運は、この黄金の右腕にかかってるんだ。口の利き方には気をつけろ」
正面に腰掛けてきた奏海に、Aは大きな舌打ちを打った
「さっきの検査の結果が出たぞ」
手に持ったカルテに視線を落としす奏海は、呆れた様に息を吐いた
「全く･･･一体どんな生き方してりゃ、こんな怪我するんだ」
『お前に関係ないだろ』スパッ
「「「･･････」」」
水無月Aの失礼極まりない発言に、看護師3人は顔を青くした。彼らはソファの後ろから、奏海の様子を恐る恐る見守る
「･･････まあいい」
(((まあいいんだ･･･けど良かった。穏便に済んだ)))
「事は急を要する。とりあえず明日 精密に検査するからな」
『･･････は？』
明日？
『バッカじゃないの？明日は普通に学校なんだけど』
「明日以外は無理だな。何よりその左目は早々に治すべきだ。公欠取れ」
不満気な顔を一切隠さないAに、奏海は続けた
「俺は多忙なんだ。本来なら来月になっても可笑しくないのに、特別に時間を作ってやるんだ。それもこれも、お前が水無月家の次期当主サマだから」
『うるさい』
「とにかく明日だ」
奏海の語気が強くなる
『･･･』
「･･･わかったな？」
『･･･』
「･･･」
暫く睨み合いが続いたが、Aが折れた
『へーへー』
「相っ変わらず生意気な奴」
奏海は再びカルテに目を落とし、Aもスマホで帰りの電車を調べ始めた
「あー･･･あとお前、まだ未成年だよな」
『それが何』
「明日は保護者連れてこい」
·
『･･･あ？』
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綾林檎 - つゆりさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！続編でも、どうぞよろしくお願い致します (2022年12月6日 19時) (
レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - 瑠璃さん» コメントありがとうございます！良いコンビですよね (2022年12月6日 19時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - 脳筋(笑)さん» コメントありがとうございます！続編でもよろしくお願い致します (2022年12月6日 19時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
つゆり(プロフ) - 更新ありがとうございます！初期づきちゃんと初期ろきくんのくだり面白かったです！続編でも強くて可愛い水無月ちゃんを応援させていただきます！！！ (2022年12月1日 18時) (レス) @page50 id: 15b7003481 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！水無月ちゃんと天喰先輩の組み合わせ大好きです！！ (2022年11月29日 22時) (レス) @page39 id: 995eaca907 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2022年9月6日 0時
