【名探偵コナン】近づこうと思うんだが (ページ5)

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ジンとは、組織にいたころにも会話や共に行動をしたことが何回かあった。嫌がらせで何度かあいつの財布を空にしてやったり、あいつの気に入ってる帽子に穴を空けたことがあったが、何故か怒られることはなかった。

ジンの組織内部ではあたしがジンの恋人という噂が出回ったりしていたこともあったけ。

だが、お断りだ。あんなケチでハゲでポエム野郎は恋人にしたくない。機嫌が悪いと部下の腹を銃で撃つんやで？？

それに、彼とは酒の趣味も合わない。私はジンも、ジンという酒も嫌いだ。ウオッカは好きだったが、

「奇遇だな、俺もジンは大嫌いだ」

『人の心読むなや。でもそれな、沖矢はんわかっとるやん』

ジン:大麦、ライ麦、じゃがいもなどを原材料とした、軽快な味の酒。ハーブなどを使ってるので、匂いも上々。

しかし、沖矢はんもあたしもこの酒が嫌い。なにより匂いが嫌いだし、ジンという人物が死ぬほど嫌い。

同じ諜報員であると同時に、組織に噛み付いた狼。話も合うことには合うが、彼も私の範囲ではない。

しかし、ジンよりは好きだ。大なり小なりで表すと

ジン←←←←沖矢

あかん。これやったら沖矢さんがジンのこと好きみたいで気持ち悪い。

そういえば、沖矢さんにこの前ジンやベルモットを進めたら

「腐ったリンゴとポエム男はちょっと……」
と口を抑えていた。

わっかーる！その気持ち。痛いほどわかる。
進めたあたしが悪かったわ、ごめん。

『あ、そろそろ話したいことあるから。店閉めるわ。おーいおっちゃんらー？麻雀やめてはよ帰ってー』

今いい所なのにと子どものようにダダをこねられたがそんなものは関係ない。ここ、獄門は深夜になると姿を消す。それは比喩的ではなく、本当に地図から姿を消すのだ。

だから、誰にも見つかることは無いし、誰も見つけれない。

そのようになったのは店が立った時からだが、未だに佐藤にもその仕組みは分からない。

しかし、沖矢は店に気にいられているので滞在することは可能。親友の天宮も例外ではない。

だから、セキュリティに関してきっと問題は無いのだろう。人を選ぶなんて随分と偉そうな店だが、

『さてと、沖矢はん。えっと……沖矢はんのままでええん？』

「いや、この店のセキュリティに文句を言うつもりは無い。だから、好きに呼んでくれ」

彼は変声機チョーカーを外し、普段被っている姿を消した。