【名探偵コナン】別れようと思うんだけど

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『冷やかしに来たでー！！！！』



「うっさ。冷やかしなら帰ってやーあたし今は仕事中や」



『ごめんごめん、飲みに来たわ。』




コツコツと階段を降りて、和風のバーのいつもの席に座る。店主は可愛らしいエプロンと袖が長い黒い着物を着て優しく客に接待していた。

私以外にもお客さんは来ているが、目を疑った。
この店は不思議な雰囲気に誘われて色んな人が来る。


今日は有名人もちらほらと。





「ご注文は？」




『…………いつもので』




「かっこつけんなや。いつものってアンタ、種類違うお酒ばっか飲むやん」




『だって美味いやん。うーん………じゃあ今日はバーボンで』




「割る？」




『いやや。割りたくない』




ふーんっと言うと佐藤は割らなくていいって言ってるのにそのままバーボンをカルピスで割った。別に気遣いしなくていいのにとジト目で見たが、

「アンタにはこれくらいがええねん」とそのままグラスを出した。


佐藤のお酒いつ飲んでも美味い。さすがマスター。なんなら昼のオムライスも美味しいが、今はどうやら違うらしい。

最近はライバルのハムサンドに手を焼いてるらしい。なんでもそこの店員がイケメンなんだとか






「なんか今日あったん？また旦那？」





『ううん、仕事でちょっと。』





他の客に聞こえないように佐藤の耳にコソコソと内容を伝えると佐藤はプッと笑い。





「アハッ、それあたしの受け売りやん。」




元々は佐藤がめんどくさい客が来た際に使う方法。これが効果覿面と知った私はいたるところで試したこともあったっけ。





「でもええやん。他人様の言うことばっかり聞いてても、意味ないしな」





『うん、ほんまそう思うわ。』





「次も勝てそ？」





『もち！勝ったらなんか食べに行こ！』





「叙〇苑！」





『涼しい顔して高い店選ぶとこ……嫌いじゃないで？』





「アハッー！おおきに！」





飲み足りないグラスを注ぎ、頭がバカになるまで飲もうと思う。酒を飲んでなきゃやってられない。
周りもどんちゃん騒ぎで、佐藤も楽しそうにカウンターから離れ、ビリヤードに参加していた。


楽しそうやなーと思っていると隣の席に人が座った。





「向こう、楽しそうですね」


とハスキーなメガネの男性に話しかけられた。






『そうですね、賑やかは良いことやわ………』


普段なら私は他人に自分から話しかけない性格だが、今は酒に酔っていてそんな事は忘れていた。

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