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数年前のあの時の話 ページ20

テツヤ「 いると思ったんだよなあ… 」


自宅へ着き電気を点けると、リビングの机にうつ伏せて明らかに暗いオーラが漂うAがいた。この間Aの家に鍵を忘れ、最近は自分が合鍵を使っていたから入れている事に疑問は無かった。


テツヤ「 電気ぐらい点ければいいのに 」


『 うん 』


テツヤ「 風呂は? 」


『 明日 』


テツヤ「 飯は 」


『 いらない 』


テツヤ「 眠くない? 」


『 わかんない 』


テツヤ「 生きてる? 」


『 …生きてない 』


テツヤ「 なんで俺の家来たの 」


『 てっちゃん以外おらんもん、逆にどこ行けばいいん 』


テツヤ「 …まあ、そうか。 」


『 もうありえん、としみつ嫌い 』


テツヤ「 そんな怒んなって、しょうがないやん 」


『 …しょうがないから、嫌なんやってば 』


Aが震えた声を出す原因ははっきりしている。今日の動画を見たのだろう。いや、見ていなくても、あいつの事だから浮かれてAに連絡しているかもしれないな。


『 馬鹿すぎ、なんであたしにLINEするん 』


AがLINEを開くととしみつとのトーク画面が表示される。辛くなるのは分かっているのに何度も見ていたんだろうな、また泣きそうになって。


としみつA!!朗報!!
としみつ俺彼女できた!!!
え!おめでとう!
としみつお前も早く彼氏作れよな!
浮かれすぎ笑


テツヤ「 動画見た? 」


『 みてない 』


まあ、見れるはずないか。タイトルに「としみつに彼女ができました」なんてあれば見る気も失せるだろう。


『 絶対その子よりもあたしのほうがとしくんのこと知っとるもん 』


テツヤ「 俺が知ってる中で、1番あいつの事わかってるよ 」


『 …うん、 』


テツヤ「 泣きなよ、ずっと我慢してたんだら? 」


『 …てっちゃん、っ… 』


背中をさすってやれば、その腕を軽く掴んで俺に抱きつく。肩に顎を当ててボロボロ泣き始めたA。


その姿は散りゆく花のように儚く、そして綺麗だった。

.→←ゆずりません



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設定タグ:東海オンエア , としみつ , YouTuber   
作品ジャンル:恋愛
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なか(プロフ) - 本当に面白すぎます!楽しみに待ってます! (2019年5月5日 10時) (レス) id: d7e95e92ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みぃ | 作成日時:2019年3月5日 6時

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